業界情報

新型コロナウイルス感染症の中小小売・サービス業への影響調査

2021年3月9日に、(独)中小企業基盤整備機構 企画部調査課による中小企業アンケート調査新型コロナウイルス感染症の中小小売・サービス業への影響調査(2021年2月)」が公表されています。

【ポイント】

⚫ 約7割の中小小売・サービス業にマイナスの業績(前年同月比)を生じ、特に飲食・宿泊業が大幅な悪化となった。
⚫ 商品・サービスの提供形態別では、飲食・宿泊業のうち「接触型」で約9割がマイナスの影響が発生・発生見込みとなった。
⚫ 事業活動面の対策では、既存商品・サービスの提供方法の見直しや新たな商品・サービスの開発に取り組む姿勢が伺える。

(1)調査概要

・調 査 日:2020年2月24日~26日
・調査方法:Webアンケート
・調査対象:全国の中小小売・サービス業者 800社
(中小企業基本法における中小企業の定義に基づく)

調査業種の構成

調査業種の構成

(2)前年同月(2020年2月)比の業績影響

・前年同月(2月)比の業績影響は「マイナスの影響が発生(41.0%」が最も多く、また将来も含めマイナスの影響が発生するとした割合の合計は約7割に達している。マイナスの影響が発生した要因としては、「活動自粛」が最も多く、次いで「国内営業・販売に支障」「国内の外出・移動制限」「営業時間の短縮や休業要請」が主なものとなっている。(図表2-1)

前年同月比の業績影響

前年同月比の業績影響

・業種別の業績影響を比較すると、特に外出・移動制限の影響を受けやすいサービス業(飲食・宿泊)で、業績の落ち込みが大きくなっている。これは、サービス業(飲食・宿泊)が外出・移動の制限を特に受けやすいことが、こうした結果になって現れ
たと考えられる。(図表2-2)

業種別の業績影響

業種別の業績影響

(3)商品・サービスの提供形態別の業績影響

・商品・サービスの提供形態で、「接触型」に分類されるのは、サービス業(飲食・宿泊)の約8割、小売業、サービス業(その他)の約7割弱となっている。一方、サービス業(情報通信)の約7割弱が「非接触型」となっている。(図表3-1)
・商品・サービスの提供形態別にみる業績への影響のうち、「マイナスの影響が発生・発生予定」の割合が高いのは、「接触型」でサービス業(飲食・宿泊)の 91.4%が最も多く、次いで小売業の 75.6%、一方、「非接触型」ではサービス業(飲食・宿泊)
の 81.3%、サービス業(その他)の 69.0%の順となっている。
・小売業の一部では外出・移動制限の影響が比較的少なく、IT関連の環境整備や巣ごもり需要などもあり、「プラスの影響が発生・発生予定」の割合が比較的に高くなった要因と考えられる。(図表3-2)

業種別の商品・サービス業の提供形態および商品・サービス提供形態別業績影響

業種別の商品・サービス業の提供形態および商品・サービス提供形態別業績影響

(4)緊急事態宣言再発令下における事業活動面の対策

・緊急事態宣言再発令下の2月現在、事業活動面での対策としては、「対策をしていない/わからない」が 38.3%と最も多く、次いで「既存商品・サービスの提供方法の見直し」「新たな商品・サービスの開発」の順となっている。業務効率化や生産性向上のための IT 活用は、合わせても2割に留まっている。(図表4)
・緊急事態宣言再発令下という状況にあって、「対策をしていない/わからない」が最も多い中、「既存製品・サービスの提供の見直し」や「新たな商品・サービスの開発」に取り組む積極的な傾向も見られ、また、新型コロナウイルス禍における新常態へ対応するため、業態転換を図っていく姿も少数ではあるが見られた。(図表4)

緊急事態宣言発令下における事業活動面の対策

緊急事態宣言発令下における事業活動面の対策

(5)事業活動面での IT 活用とその具体的内容

・事業活動面における IT を活用した対策としては、「テレワークなどリモート設備の導入」が 47.7%で最も多く、次いで「オンライン会議設備の導入」「ペーパーレス化の推進」「SNS を活用した情報発信」が上位となった。中小小売・サービス業においても、ここにきてコミュニケーション関連ツールが定着してきた様子が伺える。一方、「電子承認(電子印鑑)の導入」「動画系サイトを活用した情報発信」「デジタル人材の育成」などの取り組みは低調な結果となった。(図表5)

IT活用の具体的な内容

IT活用の具体的な内容

(6)求められている支援

・現在、求められている支援としては「特段の支援は求めていない」が 44.4%と最も多く、次いで「休養・営業時間短縮・事業損失補償」「無利子融資」「税制の優遇措置」の順となっている。(図表6)
・資金に関するニーズは強いものの、非常事態宣言再発令下にある都府県を中心に休業・営業時間短縮・事業損失への補償金が交付されていることから、「特段の支援は求めていない」が高い割合を示したものと考えられる。一方、個別相談や事業承継、販路開拓などに対する支援意向は限定的な結果となった。(図表6)

求められる支援について

求められる支援について

考察

施術ビジネス(治療院/整骨院/整体・リラクゼーション院/美容・エステサロン/トレーニング/リハビリ/デイサービス等)は、サービス業(その他)のサービス提供形態は接触型に分類されており、業績の影響は、マイナスの影響が69.2%、プラスの影響が27.7%、どちらともいえない/分からないが3.1%となっています。

(4)の事業活動面の対策においては、「対策をしていない/わからない」が 38.3%と最も多く、次いで「既存製品・サービスの提供の見直し」や「新たな商品・サービスの開発」に取り組む積極的な事業者も多かった。
しかし、業務効率化や生産性向上のための IT 活用は、合わせても2割に留まっている。

そして、(5)事業活動のIT活用においては、回答数は少なかったが、「SNS を活用した情報発信」30.8%、「キャッシュレス化の推進」25.2%、「動画系サイトを活用した情報発信」9.3%、の取組みをおこなっている事業者数は、本業界で微増している印象を受けている。

(6)求められている支援においては、「特段の支援は求めていない」が 44.4%と最も多くなっているが、(4)で「対策をしていない/わからない」が多かったことから、自社にとってどこから始めたらいいか分からないという現状もありそうだ。

-業界情報

© 2021 Keiei Chiryo Consulting(KCC) Powered by AFFINGER5