持続化補助金_低感染リスク型ビジネスモデル枠

新型コロナウイルス感染症対策 補助金・助成金

「小規模事業者持続化補助金」一般型・低感染リスク型ビジネスモデル枠について

2021/4/1 追記:最新の情報に大幅リニューアルしています。

※2021年3月31日、持続化補助金【コロナ特別対応型】が改編され、低感染リスク型ビジネス枠】の公募が開始されています。


令和3年度補正予算「小規模事業者持続化補助金(一般型・低感染リスク型ビジネスモデル枠)」が公募中です。
多くの事業所では、新型コロナウイルスの影響で現状の危機に対処するために、必要に応じた資金繰り支援策を活用していると思います。

支援策の「情報リンク集」と「主な支援策」
融資一覧表と融資実行について

それと同時に新型コロナウイルス収束後、いわゆる「アフター(ポスト)コロナ」を見据えた新たな取り組みも考えていきたいと考えている事業所も多い。
しかし、当然ながら新規事業スタート、販路開拓、業態開発には投資も必要となってきます。
そこで、数ある補助金制度の中では比較的ハードルが低い「小規模事業者持続化補助金」の活用をこの機会に検討してみてはどうでしょうか。

「小規模事業者持続化補助金」の活用
3大補助金の特別枠について

概要

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者が事業を維持継続するために実施する販路拡大等に対して、掛かる費用の3分の2(一般型:上限50万円、低感染リスク型ビジネスモデル枠:上限100万円)を補助するという補助事業です。
ここで言う小規模事業者は、パート・アルバイトを除く従業員5名以下(製造業・建設業・運輸業の場合は従業員20名以下)の事業者で、開業直後個人・法人も対象のため、治療院・整骨院(接骨院)・整体院・エステサロン・美容サロンなどでも対象になるケースは多いでしょう。

この「小規模事業者持続化補助金」ですが2019年までは年に2回程度の公募でしたが、2020年から複数回(第1回~10回)の公募になり、さらに新型コロナウイルスの影響で「コロナ特別対応型」や「事業再開支援パッケージ(事業再開枠・特例事業者の上限引き上げ)」が新設されました。

そして、2021年3月31日には「低感染リスク型ビジネスモデル枠」の公募が開始。
このため、事業者が公募をしやすくなりましたが、公募の度に内容の変化があり、一般型と低感染リスク型ビジネスモデル枠も内容が違うため、以下の表1で整理しました。

表1:「小規模事業者持続化補助金」の一般型と低感染リスク型ビジネスモデル枠(経営治療コンサルティング作成)
一般型 低感染リスク型ビジネスモデル枠
補助対象者 小規模事業者(従業員5人以下、製造業、建設業、運輸業は20人以下)の法人・個人・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(医師・歯科医師・助産師を除く)
※申請時点で事業をおこなっていること
小規模事業者(従業員5人以下、製造業、建設業、運輸業は20人以下)の法人・個人・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(医師・歯科医師・助産師を除く)
※申請時点で事業をおこなっていること
対象となる事業 販路開拓等のための取組。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組み 小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組み
補助対象経費 ①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費 ①機械装置等費 ②広報費 ③展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る)
④開発費 ⑤資料購入費 ⑥雑役務費 ⑦借料 ⑧専門家謝金 ⑨設備処分費
⑩委託費 ⑪外注費 ⑫感染防止対策費(※1)
※一般型の➃旅費と⑩専門家旅費は対象外
補助額・補助率 ・補助額:上限50万
・補助率:2/3※以下に該当する事業所は最大100万円
①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)、または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主
・補助額:上限100万
・補助率:3/4 
・感染防止対策費:補助金総額の1/4(最大25万円)を上限に補助対象経費に計上することが可能
*特別措置を適用する事業者は政策加点の他、補助金総額の1/2(最大50万円)に上限を引上げ)。【緊急事態宣言の再発令による特別措置を適用する事業者】→加点項目
2021年1月7日に発令された「緊急事態宣言」に伴う飲食店の時短営業又は不要不急の外出・移動の自粛により、特に大きな影響を受けたことから、2021年1月から同年3月までの期間のいずれかの月の月間事業収入が2019年又は2020年の同月と比較して30%以上減少した事業者
特徴 ■経政策加点項目
1.賃上げ加点
次の①~④いずれかの賃上げ関係の計画を有し、従業員に表明している事業者
①補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で1.5%以上増加させる計画(被用者保険の適用拡大の
対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で1%以上増加させる計画)
②補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で3.0%以上増加させる計画(被用者保険の適用拡大の
対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で2%以上増加させる計画)
③補助事業完了から1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする計画
④補助事業完了から1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画
2.事業承継加点
基準日時点の代表者の年齢が満60歳以上の事業者で、かつ、後継者候補の者が補助事業を中心になって行う。
3.経営力向上計画加点
基準日までに経営力向上計画の認定を受けていること。認定書の写しを添付。
4.過疎地域の取り組み
「過疎地域自立促進特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経済の発展につながる取り組みを行う事業者
5.補助金申請システム(名称:J グランツ)を用いて電子申請を行った事業者
■申請要件
電子申請が必須
申請には、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要(2021年3月末時点で取得に3~4週間程度要します)
・遡及適用
2021年1月8日以降に発生し発注・契約・納品・支払い・使用が行われた経費について遡及適用が可能
■加点項目
ア)緊急事態宣言による影響
緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業又は不要不急の外出・移動の自粛により、特に大きな影響を受けたことから、2021年1月から同年3月までの期間のいずれかの月の月間事業収入が2019年又は2020年の同月と比較して30%以上減少していること
イ)多店舗展開
複数の店舗・事業所を有しており、かつ、各店舗・事業所において、継続的に事業(営業)を行っていること
ウ)賃上げ
補助事業完了後に以下A~Dのいずれかに該当する取組を行うこと
A.補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること(被用者保険の適用拡大の対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で1%以上増加させる計画があること)
B.補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で3.0%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること(被用者保険の適用拡大の対象となる小 規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で2%以上増加させる計画があること)
C.補助事業完了から1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を『地域別最低賃金+30円』以上の水準にする計画を有し、従業員に表明していること
D.補助事業完了から1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を『地域別最低賃金+60円』以上の水準にする計画を有し、従業員に表明していること

次に、この表における「低感染リスク型ビジネスモデル枠」と「一般型」の特徴的な事項を説明していきます。

低感染リスク型ビジネスモデル枠

特徴

一般型と比べて大きな特徴を以下に記載します。

1.対象となる事業

感染拡大防止のための対人接触機会の減少事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組み
2.補助金上限額と補助率
  • 上限額:50万から100万円
  • 補助率2/3から3/4
3.対象経費
  • 感染防止対策費も対象経費
  • 一般型の③展示会等出展費は、オンラインによる展示会等に限定、➃旅費と⑩専門家旅費は対象外

4.緊急事態宣言再発例による特別措置
緊急事態宣言の再発令によって令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が、対前年又は前々年の同月比で30%以上減少している場合

  • 補助金総額に占める感染防止対策費の上限を1/4以内(最大25万円)から1/2以内(最大50万円)へ引上げます。
  • 審査時における加点措置を講ずることにより優先採択

5.遡及適用が可能

2021年1月8日以降に発生し発注・契約・納品・支払い・使用が行われた経費について遡及適用の対象となる
6.電子申請が必須
7.「支援機関確認書」の提出が任意
一般型では、事業をされている最寄りの商工会・商工会議所にて「支援機関確認書」の取得が必須ですが、低感染リスク型ビジネスモデル枠では任意となります。

一般型

上限額100万円の要件追加

一般型の補助率と上限額(2/3以内、50万円)は変更ありませんが、補助上限額が100万円となる要件➁が追加されました。

①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者、
②法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)、または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主については、補助上限額が100万円となります。

これにより、持続化給付金などが給付対象外であった、創業直後の事業所は補助上限額が2倍となっています。

加点項目

加点項目では、該当事業所の多さと、加点以外にもメリットがある以下の2つをご紹介しておきます。

1.経営力向上計画加点

  • 基準日までに経営力向上計画の認定を受けていること。
  • 認定書の写しを添付が必要です。

「経営力向上計画」とは、認定を受けて、対象となる設備を購入した場合、法人税などの税金が少なくなる制度です(特別償却または税額控除のどちらか)。
経営力向上計画の認定、対象設備に該当するかの確認は必要ですが、これに該当する投資を行った場合、納める税金の額が少なくなります。
加点項目でもあり、上記メリットもある「経営力向上計画」ですが、認定には1ヶ月程度(30日~45日)かかることから、検討されている事業所は早めに申請しておきましょう。

2.電子申請による加点

持続化補助金では、今まで比較的ITリテラシーの低い小規模事業者の負担を考慮して、電子申請が必須ではありませんでした。
しかし、低感染リスク型ビジネスモデル枠は電子申請が必須、一般型では電子申請が加点項目となりました。今後、補助金の申請を考えている事業者さんは、事前にgBIZ IDの取得をしておきましょう。
(参考)電子申請

「小規模事業者持続化補助金」でも、低感染リスク型ビジネスモデル枠で電子申請が必須、一般型で電子申請が加点となるなど、電子申請が推奨されています。
他の補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金など)は電子申請が必須となっていることから、「小規模事業者持続化補助金」も近いうちに電子申請のみとなると予想されます。
そのため、今後の申請を検討されている事業所は、電子申請に必要なgBIZ IDを早めに取得しておきましょう(取得には2週間程度かかります)。

作成方法(動画)

採択率の推移

一般型

  • 第1回 応募件数8,044件/採択件数7,308件/採択率90.9%
  • 第2回 応募件数19,154件/採択件数12,478件/採択率65.1%
  • 第3回 応募件数13,642件/採択件数7,040件/採択率51.6%
  • 第4回 応募件数16,126件/採択件数7,128件/採択率44.2%
  • 第5回 応募件数12,738件/採択件数6,869件/採択率53.9%
  • 第6回 応募件数9,914件/採択件数6,846件/採択率69.1%
  • 第7回 応募件数9,339件/採択件数6,517件/採択率69.8%
  • 第8回 応募件数11,279件/採択件数7,098件/採択率62.9%

コロナ特別対応型

  • 第1回 応募件数6,744件/採択件数5,503件/採択率81.6%
  • 第2回 応募件数24,380件/採択件数19,833件/採択率81.3%
  • 第3回 応募件数37,302件/採択件数12,664件/採択率33.9%
  • 第4回 応募件数52,529件/採択件数15,421件/採択率29.4%
  • 第5回 応募件数43,243件/採択件数16,498件/採択率38.2%

低感染リスク型ビジネスモデル枠

  • 第1回 応募件数7,827件/採択件数3,512件/採択率44.9
  • 第2回 応募件数10,205件/採択件数5,361件/採択率52.5%
  • 第3回 応募件数8,056件/採択件数5,022件/採択率62.3%
  • 第4回 応募件数8,243件/採択件数5,780件/採択率70.1%
  • 第5回 応募件数6,208件/採択件数4,138件/採択率66.7%
  • 第6回 応募件数11,721件/採択件数8,040件/採択率68.6%

 

今後のスケジュール

一般型のスケジュールは公表されており、以下の通りです。
コロナ特別対応型も複数回の公募を予定しているとしていますが、現在は第2回一般型と同じ締切(6/5)となっています。
第3回以降は、一般型は10月2日となっていますが、コロナ特別対応型は8月7日となっているために注意が必要です。
回を重ねるごとに資金繰りの見通しがついた事業者の申請数が増加し、公募ごとの予算は決まっていることから、採択率は減少しています。そのため、検討されている事業所は早めの申請とご準備をおすすめします。

小規模事業者持続化補助金(一般型スケジュール)

  • 第1回受付締切:2020 年3月 31 日(火)
  • 第2回受付締切:2020 年6月5日(金)
  • 第3回受付締切:2020 年 10 月2日(金)
  • 第4回受付締切:2021 年2月5日(金)
  • 第5回受付締切:2021 年6月4日(金)
  • 第6回受付締切:2021 年 10 月1日(金)
  • 第7回受付締切:2022 年2月4日(金)
  • 第8回受付締切:2022 年6月3日(金) (事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則2022年5月27日(金))
  • 第9回受付締切:2022 年9月20日(火)(事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 :原則2022年9月12日(月))
  • 第10 回受付締切:2022 年12月上旬頃 (事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則2022年12月上旬)
  • 第11 回受付締切:2023 年2月下旬頃 (事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則2022年2月中旬)

小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネスモデル枠スケジュール)

  • 第1回受付締切:2021年5月12日(水)
  • 第2回受付締切:2021年7月7日(水)
  • 第3回受付締切:2021年9月8日(水)
  • 第4回受付締切:2021年11月10日(水)
  • 第5回受付締切:2022年1月12日(水)
  • 第6回受付締切:2022年3月9日(水)

まとめ

令和2年度小規模事業者持続化補助金「一般型」と「低感染リスク型ビジネスモデル枠」の公募について整理してきました。多くの小規模事業者が、この補助金を活用できる一助になれればと思います。

公募回数とともに応募件数の増加もあり、採択率は減少していますので、要件を満たす計画書の作成が必要となります。
また、持続化補助金(一般型・コロナ特別対応型・低感染リスク型ビジネスモデル枠)の受付締切日の前10か月以内に採択された事業者は申請不可となっていますので、ご注意ください。

補助金チェック無料サービス(Prants)

弊社では、「補助金・助成金」および「中小企業施策(経営力向上計画・先端設備等導入計画・経営革新計画・事業継続力強化計画等)」、「融資・資金調達サポート」などの申請サポートをおこなっております。

無料補助金チェックサービス(Prants)

今すぐチェックする

※簡単な項目を入力するだけで、条件に該当する最適な補助金や金額の把握が可能となり、補助金制度の煩雑な情報収集は不要となるサービスです

 

ご不明な点があれば気軽にご相談ください。


経営治療コンサルティング(KCC)

TwitterとLINEにて情報(経営やマーケティング、業界情報)を配信しています。また、フォローや友達追加でお問い合わせなどにも対応しています。

  友だち追加

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ

にほんブログ村

-新型コロナウイルス感染症対策, 補助金・助成金

© 2023 Keiei Chiryo Consulting(KCC)