補助金・助成金 資金調達

【2025年公募予定】新事業進出補助金

新事業進出補助金

『新事業進出補助金』は、事業再構築補助金の後継制度として新たに創設された補助金で、総予算は1,500億円が計上されています。

この補助金は、中小企業や個人事業主が新たな事業分野に進出する際に活用できる制度です。事業の多角化や新規市場への参入を支援することで、企業の成長や競争力の強化を目的としています。

現在、詳細な情報はまだ公開されておりませんが、新たな情報が分かり次第、制度の概要や申請サポートの内容についてお知らせいたします。
(※2024年12月4日現在)

新事業進出補助金
令和6年度補正予算案 中小企業・小規模事業者等関連ポイント(中小企業庁)

新事業進出補助金の概要

2025年-令和7年-中小企業-新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金パンフレット-R6年12月時点版(中小企業庁)

目的

新事業進出補助金は、現在おこなっている既存事業とは異なる新しい事業への挑戦を支援するための制度であり、新市場や高付加価値事業に進出することで、生産性を向上し、企業規模拡大や賃上げを促すことを目的としています。

活用イメージ

  • 機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦
  • 医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出

補助事業概要

中小企業新事業進出補助金の概要
項目内容
補助対象者企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等
補助上限額●従業員数20人以下:2,500万円(3,000万円)
●従業員数21~50人 :4,000万円(5,000万円)
●従業員数51~100人5,500万円(7,000万円)
●従業員数101人以上 7,000万円(9,000万円)

補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。
(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)
補助率1/2
基本要件中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、(※事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること)

①付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
補助事業期間交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)
補助対象経費建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
その他●収益納付は求めません。
●基本要件②、③が未達の場合、未達成率に応じて補助金返還を求めます。
ただし、付加価値が増加してないかつ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を免除します。

補助対象者

日本国内に本社を有する中小企業者等(組合関連以外)に含まれる会社又は個人であること。

中小企業者とは、資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下である必要があります(サービス業は資本金5000万円以下、従業員100人以下)。

表:中小企業者の範囲
業種資本金従業員数(常勤)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

分類については産業分類の改訂に準拠します。(https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/kaitei_13.pdf

  • 企業組合等、一般財団法人、一般社団法人、農事組合法人、労働者協同組合などでは要件を満たす場合のみ補助対象となります。

補助金額と補助率

補助金額

補助金額は従業員数に応じて以下の範囲で設定されています。

補助金の下限額は750万円であり、後述する補助率が1/2であるため、1,500万円以上の投資が前提となります。

交付決定額の減額により、補助金額が補助下限額(750万円)を下回ることとなった場合は、採択取消となります。
全額対象外となった場合も同様です。

従業員数補助金額賃上げ特例の適用の上限額
従業員数20人以下750万円~2,500万円3,000万円
従業員数21人~50人750万円~4,000万円5,000万円
従業員数51人~100人750万円~5,500万円7,000万円
従業員数101人以上750万円~7,000万円9,000万円

補助率

補助率は対象経費の1/2です。

対象となる事業の要件

対象となる事業には、以下の要件を満たす3~5年の事業計画に取り組むことが必要です。

1.新事業進出要件

新事業進出指針に示されている「新事業進出要件」である①~③をすべて満たす事業計画を策定する必要があります。

➀製品等の新規性要件

事業で新たに提供する製品やサービスが、自社にとって新規であること。過去に提供した製品を再提供する場合は対象外です。

製品等の新規性要件に該当しない例
新事業進出補助金-製品等の新規性要件に該当しない例1
新事業進出補助金-製品等の新規性要件に該当しない例1
新事業進出補助金-製品等の新規性要件に該当しない例2
新事業進出補助金-製品等の新規性要件に該当しない例2
評価が低くなる例

中小企業の大胆な新事業進出を促す観点から、以下のようなケースは評価が低くなる傾向にあります。

  • 容易な製造:既存技術で簡単に作れる新製品の製造
    (例)自動車部品を製造している事業者が、容易に製造が可能なロボット用部品を製造する場合
  • 単純な改変:既存製品に少し手を加えただけの製品の製造
    (例)自動車部品を製造している事業者が、既存の部品に単純な改変を加えてロボット用部品を製造する場合
  • 単なる組み合わせ:既存製品を組み合わせただけの新製品の製造
    (例)自動車部品を製造している事業者が、既存製品である2つの部品を単に組み合わせたロボット用部品を製造する場合。

➁市場の新規性要件

新たに提供する製品やサービスが、既存の顧客層と異なる新しい顧客層を対象としていること。

具体的には、既存事業ではターゲットとしていなかったニーズ・属性(法人/個人、業種、行動特性等)を持つ顧客層へシフトするなど、新規市場の開拓が必要です。

市場の新規性要件に該当しない例
新事業進出補助金-市場の新規性要件に該当しない例1
新事業進出補助金-市場の新規性要件に該当しない例1
新事業進出補助金-市場の新規性要件に該当しない例2
新事業進出補助金-市場の新規性要件に該当しない例2

➂新事業売上高要件

新たに提供する製品やサービスによる売上や付加価値が、事業計画の最終年度において、申請時の総売上高の10%以上または総付加価値額の15%以上になると見込めるような計画を立てる必要があります。

(参考)新事業進出指針を満たす業種別の例

【例1】製造業①

ガソリン車の部品を製造していた事業者が、車両部品の製造で培った技術を活かして、新たに半導体製造装置の部品の製造に着手する場合

新事業進出補助金-製造業の例1
新事業進出補助金-製造業の例1
【例2】製造業②

航空機用部品を製造していた事業者が、航空機部品の製造で培った技術を活かして、新たに医療機器部品の製造に着手する場合

新事業進出補助金-製造業の例2
新事業進出補助金-製造業の例2
【例3】建設業

注文住宅の建設を行っていた事業者が、建設業で培った木材の知見を活かして、新たにオーダーメイドの木材家具の製造に取り組む場合

新事業進出補助金-建設業の例
新事業進出補助金-建設業の例
【例4】印刷業

販促物の印刷を行っていた事業者が、既存事業での顧客対応力を活かして、新たに食堂等の内装工事事業に取り組む場合

新事業進出補助金-印刷業の例
新事業進出補助金-印刷業の例
【例5】情報サービス業

アプリやWEBサイトの開発を行っていた事業者が、既存事業でのノウハウを活かして、地域の特産物等を取り扱う地域商社型のECサイトの運営に取り組む場合

新事業進出補助金-情報サービス業の例
新事業進出補助金-情報サービス業の例

2.付加価値額要件

補助金を活用するには、補助事業終了後 3~5 年で付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年率平均4.0%以上増加する見込みの事業計画を立てる必要があります。

事業者は、自社でこの成長率を上回る具体的な目標額(付加価値額目標値)を設定し、事業計画の最終年度までにその達成を目指す必要があります。

付加価値額とは?

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

そして、成果目標の比較基準となる付加価値額は、補助事業終了月の属する(申請者における)決算年度の付加価値額とします。

3.賃上げ要件 【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】

補助金を受けるには、補助事業終了後3~5年間の事業計画期間において、次のいずれかの水準以上の賃上げを実現する必要があります。

  1. 一人当たり給与支給総額の年平均成長率が、都道府県ごとの最低賃金の過去5年間の成長率以上となること
  2. 給与支給総額全体の年平均成長率が2.5%以上となること

これらの目標値は、申請時点で自ら設定し、全従業員または代表者にあらかじめ伝えることが義務付けられています。目標値は基準値以上であれば自由に設定可能で、より高い目標を掲げると審査上の評価も高くなります。

返還要件について

補助事業終了後の事業計画期間において、設定した賃上げ目標を達成できなかった場合、補助金の返還義務が発生します。

  • 目標を従業員に表明していなかった場合:補助金の交付決定が取り消され、全額返還が求められます。
  • 目標を表明していたが未達成だった場合:未達成率に応じた割合で補助金の一部を返還する必要があります。

なお、企業全体で継続的な赤字が続いており付加価値も増加していない、または自然災害などの不可抗力による場合には、返還が免除されることもあります。

※年平均成長率がゼロまたはマイナスの場合は、補助金全額の返還が必要になります。

4.事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】

補助事業終了後の3~5年間の事業計画期間において、毎年、事業所内で最も低い賃金が、補助事業実施地域の最低賃金より30円以上高い水準である必要があります。

この要件を確認するため、毎年の「事業化状況報告」の際に、賃金台帳などの資料提出が求められます。

返還要件について

上記の要件を1年でも満たさなかった場合、その年に相当する補助金について、補助金交付額を事業計画期間の年数で割った金額の返還が求められます。

ただし、以下のいずれかに該当する場合は返還を求められない可能性があります:

  • 当該年度の付加価値額が増加していないかつ営業利益が赤字である場合
  • 天災など不可抗力による影響があった場合

※返還額の上限は、交付された補助金額までとなります。

5.ワークライフバランス要件

補助金の申請には、仕事と子育ての両立支援に関する取り組みを示す「一般事業主行動計画」を作成・公表していることが必要です。

この行動計画は、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、社員の働きやすい職場環境づくりを目的とした取組内容をまとめたもので、申請前に作成し、国の専用サイト「両立支援のひろば」へ掲載する必要があります。

なお、公表までに1~2週間ほどかかるため、早めの準備が推奨されます。加えて、可能な限り都道府県労働局への届け出も行ってください。

6.金融機関要件(金融機関等から資金提供を受ける場合)

補助事業を金融機関等からの資金提供によって実施する場合は、資金提供元の金融機関から事業計画内容の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出する必要があります

  • 自己資金のみで実施する場合は、「確認書」の提出は不要です。
  • 金融機関は、事業所の所在地にある必要はなく、任意の金融機関を選ぶことができます。
  • 複数の金融機関から資金提供を受ける場合でも、いずれか1つの金融機関からの確認書があれば要件を満たします

<賃上げ特例の適用を受ける場合の追加要件>
7.賃上げ特例要件 【要件未達の場合、補助金返還義務あり】

賃上げ特例の適用を受けるには、補助事業の実施期間中に以下の2つの要件をどちらも満たす必要があります:

  1. 給与支給総額を年平均で6.0%以上増加させること
  2. 事業場内最低賃金を年額で50円以上引き上げること

新しい事業場で補助事業を行う場合は、既存の事業場の最低賃金を基準に、50円以上の引き上げが必要です。

応募時には、これらの賃上げを実行するための計画書を提出し、その内容が妥当かどうかが審査されます。事業完了後には、賃上げの実施状況を確認するため、決算書や賃金台帳の提出が求められます。

返還要件について

初回の事業化状況報告で上記2つの要件の達成が確認できなかった場合、特例により上乗せされた補助金額(=賃上げ特例による増額分)については、全額返還を求められます。
なお、返還額は交付された補助金額の範囲内に限られます。

※補助金を申請した時点よりも給与や最低賃金を意図的に引き下げて要件を満たそうとする行為は認められません。

補助の対象となる経費

新事業進出補助金では、事業化に必要な設備やサービスなど明確な目的を持った経費のみが対象となります。

以下に、補助対象となる具体的な経費を分かりやすくまとめました。

区分内容
機械装置・システム構築費
(※建物費といずれか必須)
● 補助事業専用の機械、工具、ソフトウェア等の購入・製作・リース費用
● それらに関連する改良、据付、運搬費用
単価10万円以上、交付決定後の契約・購入が対象
● 中古品も条件付きで対象(相見積もり等必須)
建物費
(※機械装置・システム構築費といずれか必須)
● 事業に必要な施設の建設・改修・撤去費用
● 補助事業に使用する建物に付随する構築物の建設費用
● 建物の購入や賃貸は対象外
運搬費● 宅配・郵送料等の運搬に係る費用(原則、機械装置等の運搬はシステム費に含む)
技術導入費● 他者の知的財産を導入するための費用(ライセンス等)
● 同一事業者に重複して外注・専門家として依頼不可
知的財産権等関連経費● 特許出願などにかかる弁理士費用や翻訳費用
● 日本特許庁への手数料、訴訟費用などは対象外
● 補助事業の成果に基づいた知財出願に限る
外注費
(上限:補助金全体の10%)
● 補助事業に必要な加工・検査・設計の外注費
● 外注先との契約と選定理由の明示が必要
専門家経費
(上限:100万円)
● 必要不可欠な専門家(大学教授・診断士など)への謝金・旅費
● 単価上限や実績報告時の根拠資料が必要
クラウドサービス利用費● 補助事業専用に使用するクラウドサービスの利用費
● サーバー利用、通信料等が対象
PC本体や共有利用の場合は対象外
広告宣伝・販売促進費
(上限:事業計画年ごとの売上見込みの5%)
● チラシ・パンフ・動画・ウェブサイト・展示会出展費用など
● 要件定義書・見積書などで費用の妥当性が確認できること

各経費は補助事業に直接関連し、証拠書類に基づいて妥当性が確認できる必要があります。

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法政大学経営大学院発ベンチャー/経営革新等認定支援機関/M&A支援機関/IT導入支援事業者

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飯塚 伸之(いいづか のぶゆき)

株式会社BE NOBLE 代表取締役、法政大学経営大学院特任講師、MBA(経営管理修士)
医療機関での勤務経験を活かし、ヘルスケア事業者の経営・集客支援や資金調達支援、M&A、企業向け健康経営支援事業を展開。 中小企業診断士/健康経営エキスパートアドバイザー/医療経営士/ファイナンシャルプランナー/鍼灸師/柔道整復師/キャリアコンサルタント/産業カウンセラーなど、多岐にわたる資格を保有し、幅広い視点からクライアントの課題解決に取り組む。

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