補助金・助成金 資金調達

東京都「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」の活用法

東京都助成金-高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業

日本は急速に高齢化が進み、シニア層を対象とした市場が急拡大しています。
これに伴い、東京都では、地域内の中小企業が高齢者向けの製品やサービスを開発・販売しやすいよう支援する「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」を設けています。

この助成金制度は、企業が新しい市場に進出し、販路を拡大するための経済的なサポートを提供するものです。
特に、高齢者の健康や安全、生活支援に関連する製品・サービスが助成対象となり、展示会出展やECサイトへの出店など、販売促進活動の一環が助成されます。

この記事では、この助成制度の詳細な内容や、対象となる製品やサービス、助成金の申請方法、審査基準について詳しく解説します。
さらに、申請に必要な書類や手続き、事業実施における重要な注意点についても触れ、申請を検討している中小企業にとって有益な情報を提供します。この助成制度を最大限に活用し、成長市場である高齢者向けビジネスに挑戦してみましょう。  

 

「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」とは

 

東京都が提供する「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」は、東京都内の中小企業者が、高齢者・シニア層を対象とした製品やサービスの開発・販売を促進するために設けられた助成金制度です。

この制度の目的は、企業が新しい市場に進出し、製品やサービスの販路を拡大することで、都内経済の活性化を図ることです。

具体的には、展示会への出展、ECサイトへの出店、自社Webサイトの制作や改修、販売促進活動にかかる経費を助成します。  

 

「高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」の概要
項目 詳細
助成限度額 最大150万円
助成率 対象経費の3分の2以内
助成対象経費 展示会出展、ECサイト出展、自社Webサイト、販売促進費(印刷物制作費・PR動画制作費・広告費)
エントリー受付期間 令和6年6月24日(月)~8月19日(月) 17時まで
申請期間 令和6年7月22日から令和6年8月19日 17時まで
助成対象期間 令和6年11月1日から令和7年11月30日まで(1年1か月以内)

 

助成対象となる製品・サービス等

 

助成対象となる製品やサービスは、高齢者やシニア層をターゲットにしたものであり、東京都の「未来の東京」戦略に寄与するものでなければなりません。
この戦略に基づき、以下の5つのカテゴリーに該当する製品やサービスが助成の対象となります。  

 

助成対象となる製品・サービス等
カテゴリー 助成対象となる製品・サービス等
活躍の場づくり 高齢者・シニアの社会参加や就労支援など活躍を後押しする製品やサービス
移動支援 高齢者・シニアが不安やストレスなく移動し、生活するための製品やサービス
住まい 高齢者・シニアの快適かつ安心な暮らしを実現する製品やサービス
健康づくり 高齢者・シニアの健康づくりに資する製品やサービス
介護サービス支援 高齢者・シニアが必要な介護を受けるための製品やサービス
その他 上記の他、高齢者・シニアをターゲットとした製品やサービス

 

ポイント

以下の東京都のWebサイトより、「『 未来の東京』戦略」で掲げる「アクティブなChōju社会を実現」の内容を必ず確認しましょう。

 

申請要件

この助成金を申請するためには、以下の要件を満たす必要があります​。

  1. 東京都内に本社または事業所を持つ中小企業または個人事業主
    中小企業には、資本金・従業員数の基準があり、業種により異なりますが、製造業の場合は資本金3億円以下または従業員300人以下、サービス業では資本金5,000円以下または従業員100人以下の企業が対象です。
  2. 高齢者向け製品・サービスの開発・販売を行う事業者
    対象となる製品やサービスは、申請日までに事業化されており、販売できる状態である必要があります。
  3. 税務上の要件を満たす
    事業税の滞納や公社対する賃料・使用料等の債務の支払いが滞っていないこと。 また、税務署の受付印または受信通知のある直近2期分の確定申告書を提出する必要があります。
  4. 申請時に必要な書類をすべて提出できる
    必要書類には、事業計画書や商品説明資料、納税証明書などが含まれます。
  5. 「同一の展示会や経費」を併願申請していないこと
  6. 民事再生法又は会社更生法による申立て等、助成事業の継続性について不確実な状況が存在しないこと
  7. 助成事業の実施に当たって必要な許認可を取得し、関係法令を遵守すること
  8. 公社が連鎖販売取引、ネガティブ・オプション(送り付け商法)、催眠商法、霊感商法など公的資金の助成先として適切でないと判断する業態を営むものではないこと
  9. その他、公社が公的資金の助成先として適切でないと判断するものではないこと

 

助成対象となる経費

助成金の対象となる経費には、主に以下の4つのカテゴリがあります。  

 

助成対象となる経費
費目 詳細
展示会参加費 出展小間料、展示会での資材費や輸送費、オンライン出展基本料(上限20万円
ECサイト出店初期登録料 モール型ECサイトへ出店する場合の初期登録費用(上限20万円
※自社が主催又は運営に携わるECサイトは不可
自社Webサイト制作費 商品をPRするためのWebサイト制作・改修にかかる費用(上限20万円
※運用費や租税に係る費用を含めることができない
※販売管理システム(予約・決済システム、ショッピングカート等)の搭載を目的とするものなどでないこと
販売促進費 印刷物(上限50万円)、PR動画(上限20万円)、広告掲載費(上限20万円)など
※広告掲載費:新聞、雑誌、助成対象の展示会のガイドブック、Web広告(バナー広告、SNS広告)など

 

助成対象とならない経費

一方で、次に挙げる経費は助成対象外です。

 

助成対象とならない経費
費目 詳細
間接経費 手数料、交通費、レンタカー代、ガソリン代、宿泊費、駐車場代、飲食費、保険料(輸送に係る保険を除く)、雑費等
人件費とみなされる経費 コンパニオン、アルバイト、通訳、コンサルタント、営業代行、モデル等
自社小間以外のスペースに係る経費 共同キッチン、共同商談エリア、チラシ設置所等
共同出展の申請がなく、共同出展とみなされる出展をした場合の経費 契約や支払いに他社(自社の関連会社・グループ企業・親会社・子会社等含む)が介在する出展、経費負担に関わらず他社や他社商品等をPRする出展、出展小間内や主催者パンフレット・会場図等に他社名や他社の商品名等が表示されている場合等
他社のPRとみなされる経費 自社名の掲載がなく、他社の連絡先を掲載した制作物・販売促進物に係る経費、他社商品のPRとみなされる出展に係る経費等
※グループ会社や協業先企業の名称・連絡先等を掲示・掲載した場合も対象外。
他の用途にも使用できるものや自社の通常業務で使用する営業ツール等に係る経費 うちわ、はがき、試供品、ノベルティ、スタッフユニフォーム、名刺、封筒、試食用の食材や消耗品等
商品サンプル等に係る経費 展示用商品、商品サンプル、見本帳、パッケージ、取扱い説明書やサービスマニュアル等に類するもの等
購入物、特注品、自社で制作する場合の経費 什器・備品の購入又は制作委託費、セルフコピー代等
制作物等の素材制作・素材購入に係る経費 画像・写真、ロゴ、イラスト、アニメーション、音源、モデル、コピーライティング、CG、スライドデータ等(印刷委託費等に含まれる場合を除く)
オンライン展示会に係る、出展基本料以外の全ての経費 コンテンツ、システム、講演会(セミナー、プレゼンテーション、ウェビナー等)参加費又は出演費、ログ解析費・アーカイブ配信費、広告費、その他オプション費用等
EC サイト出店初期登録費用に係る、初期登録料以外の全ての経費 運用サービス、構築、デザイン、その他オプション費用等 モール型以外のECサイトへの出店登録料、クラウドファンディングやフリーマーケットのサイトへの登録料等
その他

・キャンセル料、協賛金
・支払いに際して、ポイントを取得又は使用した場合のポイント相当分
・租税公課(消費税、印紙代等)
・一般的な市場価格と比べて著しく高額な経費
・公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
・「東京都暴力団排除条例」に規定する暴力団関係者等・反社会的勢力との取引に係る経費
・キャッシュバック分に相当する経費 

 

申請方法と助成金交付までの流れ

申請はすべてオンラインで行います。

申請に必要な手順は以下の通りです。  

 

簡単な流れ

  • 事前エントリー
    申請する前に、公社のホームページ上でエントリー期間内にフォームへ入力を行う必要があります。
  • GビズIDの取得
    申請には「GビズID」という共通認証システムを使用します。GビズIDは取得に数週間かかるため、早めに取得することが推奨されます。GビズIDを使用して、Jグランツ(政府の助成金申請システム)にログインします。
  • 申請書類の準備
    次に、公社のホームページからダウンロードした申請書様式を使用して、必要事項を記入します。これには、事業計画書、助成対象商品の説明書、登記簿謄本や納税証明書などが含まれます。すべての書類はPDFまたはZIP形式で電子データに変換しておきます。
  • Jグランツで申請
    Jグランツにログインし、「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」を検索して、必要な書類をアップロードします。申請書類がすべてそろったら、申請ボタンを押して提出を完了させます。 ※持参、郵便、電子メール等のJグランツ以外の方法による提出はできません
  • 審査
    申請された書類は、事業の実現可能性や経済的な効果、社会的貢献度などの観点から審査されます。
  • 結果通知
    審査結果は10月末に通知されます。審査を通過した場合、助成金が交付されます。

 

電子申請について

[jGrants] https://www.jgrants-portal.go.jp/ 申請受付期間中のみ、申請フォームが表示されます

[gBizID] https://gbiz-id.go.jp/top/

 

 

 

スケジュール

申請から助成金交付までのスケジュールは以下の通りです。

 

「高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」のスケジュール
スケジュール 日程
エントリー受付 令和6年6月24日~8月19日
申請書受付 令和6年7月22日~8月19日
審査結果通知 令和6年10月末
助成対象期間 令和6年11月1日~令和7年11月30日

 

助成金の交付は、審査結果の通知後に順次行われます。申請企業は結果を待ちながら、事業の準備を進めることが求められます。      

 

審査方法と審査の視点

審査は提出された申請書類に基づき、以下の視点から行われます。審査では特に事業の実現可能性と経済的効果が重視されます。

 

1. 事業の実現可能性

助成対象となる製品やサービスが現実的に提供可能であり、実際の販売につながるかどうかが評価されます。事業計画が明確で、製品の販売戦略や予想される顧客層についても具体的に記載することが重要です。

2. 高齢者ニーズへの適合性

助成対象商品が高齢者やシニア層のニーズにどれだけ合致しているかが評価の対象です。特に、健康や生活支援、移動のサポートなど、高齢者が日常生活で直面する課題に対するソリューションを提供する商品であるかが審査されます。

3. 経済効果

助成金を受けることで、事業がどの程度の経済効果をもたらすかが審査のポイントです。具体的な販売目標や市場シェアの拡大、売上の見込みなどを記載し、経済的なインパクトを示すことが求められます。

4. 社会貢献度

事業が地域社会や東京都の経済にどのように貢献するかも審査の重要な視点です。高齢者の生活を向上させ、東京都の高齢者政策「未来の東京」戦略にどのように寄与するかを明確にすることが審査を通過するためのポイントです。  

 

助成事業の実施および注意事項

助成金を受け取った後、事業を実施するにあたって注意しなければならない点がいくつかあります。以下に、主な注意事項をまとめます。

 

1. 助成事業の進行と報告

助成金が交付された後も、事業の進行状況を適切に管理し、定期的に報告する義務があります。助成金を使用した経費の詳細や事業の進捗状況を記録し、助成事業が適切に実施されていることを証明する必要があります。

2. 実績報告書の提出

事業が終了した後には、実績報告書を提出する必要があります。この報告書には、事業の成果や実施内容、助成金の使用状況を詳細に記載しなければなりません。提出期限を守り、必要な書類を整えておくことが重要です。

3. 助成金の返還義務

万が一、助成金が適切に使用されていなかった場合や、申請内容に不備があった場合、助成金の全額または一部を返還する義務が発生する可能性があります。助成金の適正な使用を徹底し、問題が生じないように注意しましょう。    

 

 

よくある質問(FAQ)

 

 

助成金を受け取るために、事前に何を準備する必要がありますか?

まずは、事業計画書や助成対象商品の説明資料、納税証明書などの必要書類を準備し、PDF形式に変換しておきます。また、GビズIDの取得が必要となるため、早めに申請手続きを進めてください。

 

展示会への出展だけを行う場合、助成金の申請は可能ですか?

はい、展示会出展だけを目的とした申請も可能です。ただし、助成金は対象経費の3分の2以内であり、最大150万円まで支給されます。

 

助成金の申請は何度でも行えますか?

同一年度内での申請は1回限りです。次年度以降に再度申請を行うことは可能ですが、同じ年度に複数回の申請はできません。

 

助成金を受け取った後、他の助成金を申請することは可能ですか?

他の助成金と併用する場合は、重複する経費についての助成は受けられません。同じ展示会や経費について他の助成金を併願申請することは原則として認められていないため、事前に確認する必要があります。  

 

最後に

高齢者向け市場は、日本の高齢化に伴い急成長している分野です。

東京都が提供する「令和6年度 高齢者向け製品・サービスの販路開拓支援事業」を活用することで、中小企業は新たな販路を開拓し、製品やサービスの提供を強化することが可能になります。

この助成金をうまく利用するためには、申請の際に必要な書類を揃え、事業計画をしっかりと立てることが重要です。 さらに、高齢者のニーズに合った製品やサービスを提供することは、企業の成長だけでなく、社会的にも大きな貢献を果たすことになります。

高齢者が安心して生活できる環境を提供しながら、企業としても持続的な成長を目指しましょう。

今回紹介した助成制度を最大限に活用し、東京都内の中小企業が新たなビジネスチャンスを掴むための一助になれば幸いです。

これから高齢者向けビジネスを始める方や、新たなマーケットに進出したいと考えている中小企業は、ぜひこの助成制度を検討し、成功に向けての一歩を踏み出してください。      

 

 

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