11月14日(木)13時~15時に四谷主婦会館プラザエフにておこなわれた広告検討会を傍聴して来ました。
厚労省がガイドライン案の方向性を提示し、その内容について医師・柔整・あはき・視覚障害者・健保組合などの団体の構成員にて、議論がおこなわれました。厚労省は今年度中にガイドラインを策定し、来年度以降、不正広告の取り締まりを強化していく考え。数年後をめどに効果を検証し、改善が見られない場合は必要に応じて法改正を検討するとしています。
第8回あマ指師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会 |
検討会の内容ですが、「整骨院」→「接骨院・ほねつぎ」、「治療院」→「施術所」、休診日や初診などの「診」が含まれる表記を使用不可とする案や、医師の同意が必要な旨を記載せずに「各種保険取扱」と表記しているケースの規制に関しては、具体的な整骨院グループ名が挙がるなど議論は白熱していました。
インターネットの広告に関しては、原則として広告規制の対象外で自主的な取り組みを促すが、➀誘因性、➁特定性、➂認知性の要件を満たす場合(バナー広告やリスティング広告)は、広告として規制対象とする案などが示されました。
様々な立場の構成員が参加していましたが、厚労省のガイドライン案では以下の図の分類で業界を分けて議論していました。
業界の枠組み(弊社作成) |
B.の医業類似行為(あはき師・柔整師業界)の広告規制を進めると、C.の非医業類似行為(無国家資格者:整体師等の業界)はやりたい放題の広告が出来るので、有国家資格者の市場が取られるのではないか?
B.の規制の前に、C.の規制が必要ではないのか?
ここに関しては、健保組合は「医療費」の適正化・利用者が誤認しないための広告規制という視点のため、「医療費」の請求のないC.の業界の規制の話しはなく、不正請求の多いB.の業界の規制のみを考えているように感じました。
しかし、不正請求の起きている背景を考えると、施術による健康被害の問題も多く、無視できない業界だと思います。(ここにその業界団体は参加していませんが・・・)
実際に、有国家資格者の施術所のメリットを感じなくなった企業では、広告の規制を逃れるために、整体院の看板を掲げて中身は整骨院となっているケースが増加しています。
世間ではあまり知られていませんが、
B.3~4年の期間と、3~400万前後の費用をかけて知識・技術を習得し国家試験を合格
C.3日程度の講習~(独学で努力している方も多くいます)
本来は、人の身体に触れるサービスはある程度のレベルと責任が求められると思います。
資格者を守るという事も必要だと思いますが、最終的にそこの法改正を目指すとなると、大きくなったC.の業界で多くの失業者が出るという新たな問題にもつながるのかと考えます。
業界の広告規制は進んでいきますが、そもそもB.とC.の差が利用者に伝わっていないのは何故なのか?
それは、知識はなくても臨床経験とともに整体(マッサージ)の技術は向上するので、資格の有無にかかわらず利用者の満足を得ている現状もあるのかもしれません。
そのため、今後のB.ができる事としては、有国家資格者だからできるC.に出来ないサービスを考え、現状の規制の中で利用者に選ばれるような広告戦略を考えていく必要があります。
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