「補助金が使えると聞いたが、うちは対象になるのだろうか」「制度が多すぎて、どれを見ればいいのか分からない」──
治療院・整体院・美容サロン・クリニック・介護福祉施設など、ヘルスケア事業者の方から、このような相談は年々増えています。
特に近年は、補助金制度そのものが大きく変化しており、以前は使えた業種・内容でも、現在は対象外となるケースが少なくありません。
本記事では、2026年時点でヘルスケア事業者が「まず確認すべき国の補助金」を目的別に整理し、あわせて近年の制度変更による注意点も解説します。
すべての補助金を網羅的に調べるのではなく、「自社が申請できる可能性があるか」を見極めることが、補助金活用の第一歩です。
目次
本記事の対象となるヘルスケア事業者
本記事は、以下のようなヘルスケア関連事業者を想定しています。
- 治療院(接骨院・鍼灸院・マッサージ院)
- 整体院・カイロプラクティック
- 美容サロン・エステサロン
- クリニック(医科・歯科)
- 介護福祉施設(通所・訪問系など)
- フィットネス・運動指導事業者
※医療・介護・福祉は公的制度との関係性が強い業種であるため、補助金の適用可否は一般業種以上に慎重な確認が必要です。
まず押さえておきたい|近年の補助金制度の大きな変化
① 公的制度収入がメインの事業は「対象外」と明記される補助金が増加
近年の補助金制度で最も重要な変化のひとつが、「公的制度収入との二重補助」を避ける考え方が明確になった点です。
具体的には、次のようなケースでは、補助金申請ができない、または極めて難しくなっています。
- 診療報酬・療養費・介護報酬・障害福祉サービス等報酬が
現在の事業収入の大半を占めている場合 - 補助金を使って実施する事業・サービス自体が
将来的に公的制度収入となる場合
その結果、「病院・クリニック」「療養費を主収益とする接骨院・鍼灸院・マッサージ院」「介護保険サービス事業所(デイサービス等)」などは、補助金の種類によっては対象外となるケースが増えています。
かつては、次のような事例も見られましたが、現在は原則として制限される方向にあります。
- 療養費を主収益とする接骨院が既存事業に補助金を活用
- 自由診療の整体院が、介護報酬を主とするデイサービスを新規開業
一方で、以下のような取組みなどについては、公的制度収入がメインの事業でも対象となる補助金が存在します。
- 業務効率化・省力化のためのIT導入
- M&A・事業承継に係る専門家費用
重要なのは、「何に使う補助金なのか」を切り分けて考えることです。
② Web販促費だけに補助金を使うことは難しくなっている
もう一つの大きな変化が、Webサイト制作や広告費“だけ”を目的とした補助金活用が難しくなった点です。
近年の補助金では、次のような位置付けが明確になっています。
- 補助の主目的:
新たな事業・製品・サービスの実施、または設備投資 - Web関連費用:
上記の取組みを周知・訴求するための副次的経費
そのため、以下のような取組み内容では、不採択または対象外となるケースが増えています。
- ホームページ制作費のみ
- Web広告費のみ
- LP作成だけ
補助金を検討する際は、「何をやる事業なのか」「そのためにどんな設備・体制が必要か」を先に整理する必要があります。
ヘルスケア事業者がチェックすべき国の補助金【目的別一覧】
ここからは、2026年時点でヘルスケア事業者が優先的に確認すべき国の補助金を、目的別に解説します。
小規模事業者持続化補助金
【販路開拓・生産性向上・開業初期】
補助金の目的・特徴
小規模事業者持続化補助金は、今の事業のために、販路開拓や業務改善を行うための補助金です。
- 設備投資(物理療法機器、美容機器、各種検査機器など)
- 店舗改修(顧客のためになるもの)
- ホームページ制作・改修
- 新メニュー・新サービスのPR
- チラシ・パンフレット作成や配布
など、比較的小規模な投資が対象となります。
ヘルスケア事業者との相性
- 自由診療中心の治療院・整体院・サロン
- 開業から間もない事業者(創業枠)
- 広告・集客を強化したい事業者
にとっては、最初に検討されやすい補助金です。
注意点(2026年視点)
- 公的制度収入が事業の大半を占める場合や、公的制度収入につながる取組みは対象外となる可能性
- Web制作・広告費のみの申請は不可
- 商工会・商工会議所の関与が必須
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新事業進出補助金、ものづくり補助金
【新たな事業・製品・サービスの開発】
補助金の目的・特徴
これらの補助金は、既存事業とは異なる、新たな取組み(事業単位)を行うための補助金です。
- 新市場への進出
- 新事業の開始、体制の構築
- 新たな製品・サービスの開始に伴う費用
- 専用設備・システムの導入、建物費
- 広報費
など、比較的規模の大きな投資が想定されます。
ヘルスケア事業者との相性
- 自由診療メインの新事業を開始したい治療院など
- 今の事業の強みを活かして、新たな健康サービス・予防分野への展開
- BtoBサービスや物販への進出
などに向いています。
注意点(非常に重要)
- 補助金を使って行う事業が公的制度収入になる場合は対象外
- 既存事業の単なる延長では不十分
- 事業計画の完成度が採択を大きく左右
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IT導入補助金
【業務効率化・デジタル化】
補助金の目的・特徴
IT導入補助金は、業務効率化・生産性向上を目的としたITツール導入を支援する補助金です。
対象となる主な取組みには、以下のようなものがあります。
- 予約管理システム
- 顧客管理(CRM)・カルテ管理システム
- 会計・請求・勤怠管理ソフト
- オンライン問診・事前決済ツール
- 在庫・売上管理システム
制度上、「IT導入支援事業者」として登録されたベンダーのツールを導入する必要があります。
ヘルスケア事業者との相性
IT導入補助金は、近年の制度変更の中でも、公的制度収入がメインの事業でも活用しやすい補助金のひとつです。
- クリニック(医科・歯科)
- 療養費を扱う接骨院・鍼灸院・マッサージ院
- 介護福祉施設
といった事業者でも、業務効率化・省人化を目的としたIT導入であれば、申請対象となるケースが多く見られます。
注意点(2026年視点)
- ITツール導入が「目的」になっていないか
- 単なるHP制作や広告ツールは対象外になりやすい
- 導入後の業務改善効果を説明できるかが重要
IT導入補助金は「比較的使いやすい」一方で、業務フロー改善の説明が弱いと不採択になる点に注意が必要です。
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中小企業省力化投資補助金
【人手不足対策・省人化】
補助金の目的・特徴
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や業務の省人化を目的とした設備投資を支援する補助金です。
対象となるのは、以下のような取組みです。
- 自動受付・セルフレジ
- 予約・案内の自動化システム
- 業務負担を軽減する専用機器
- 標準化・自動化を前提とした設備導入
近年は、「カタログ型」と呼ばれる方式も導入され、一定の条件を満たした設備を選択する形式が増えています。
ヘルスケア事業者との相性
- スタッフ不足に悩む治療院・サロン
- 受付・会計・案内業務の負担が大きい事業者
- 高齢スタッフの業務負担軽減を図りたい事業者
などに適しています。
また、この補助金も公的制度収入がメインの事業であっても対象となる可能性が高い点が、ヘルスケア事業者にとって大きな特徴です。
注意点
- Web販促が主目的の申請は不可
- 「省力化効果」を数値や業務量で説明する必要あり
- 汎用的な備品は対象外となりやすい
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事業承継・M&A補助金
【事業の引継ぎ・売却・買収・PMI】
補助金の目的・特徴
事業承継・M&A補助金は、事業を引き継ぐ・譲る・買う際に発生する費用を支援する補助金です。
対象となる費用には、次のようなものがあります。
- M&A仲介・FAなど専門家費用
- 事業承継後(親族または従業員への承継)の新たな取組み費用
- 買収後の統合(PMI)に係る費用
- M&A後の一部事業の廃業費用
ヘルスケア事業者との相性
この補助金は、「公的制度収入がメインの事業」「医療・介護・福祉分野」であっても、比較的活用しやすい補助金です。
また、次のような幅広いケースで活用されています。
- 後継者不在で売却を検討している治療院
- 親族・従業員承継を考えている事業者
- 小規模M&Aで事業拡大を狙う法人
注意点
- M&Aが成立することが前提条件
- 対象となる専門家費用の範囲確認が必須
- スケジュール管理が非常に重要
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補助金を「使えるかどうか」で終わらせないために
補助金チェック無料サービス(Prants)

補助金を「調べる段階」から「使えるか判断する段階」へ
補助金は制度ごとに条件が異なり、「本当に対象外なのか」「どの補助金が候補になるのか」「今は動くべきか、待つべきか」自社だけで判断するのは難しいケースも少なくありません。
Prants(補助金チェック無料サービス)では、複数の補助金制度を横断して、「使える可能性があるかどうか」を整理できます。
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まとめ
2026年現在、ヘルスケア事業者が活用できる補助金は依然として存在しますが、「誰でも・何でも使える制度」ではなくなっています。
特に、公的制度収入との関係や、Web販促費の位置付けなど、過去とは大きく考え方が変わりました。
そのため、補助金を調べ始める際は、「どの補助金が一番お得か」を探すのではなく、「自社の事業内容・収益構造・やりたい取組みが、どの制度に当てはまるのか」を整理することが重要です。
すべてを自分で判断しようとすると時間と労力がかかり、結果として申請機会を逃すことも少なくありません。
まずは適用可否を確認し、その上で必要に応じて専門家の支援を活用することが、補助金を無理なく、そして有効に使うための近道と言えるでしょう。
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