「ホームページ制作に補助金は使えるのか?」
治療院・整体院・美容サロン・クリニック・介護福祉施設など、ヘルスケア事業者の方から非常に多く寄せられる質問です。
実際、数年前まではホームページ制作やWeb集客に補助金を活用できたケースも少なくありません。
しかし近年、補助金制度は大きく変化しており、「以前は通ったが、今は通らない」「同じ業種でも申請できる場合とできない場合がある」といった状況が増えています。
本記事では、ヘルスケア事業者が補助金を使ってホームページ制作を行える条件と、申請時に必ず注意すべき制度上のポイントを整理します。
あわせて、国の補助金と自治体の補助金の違い、申請可否を分ける実務的な判断基準についても解説します。
目次
なぜ「ホームページ制作 × 補助金」は分かりにくいのか
ホームページ制作に補助金を使えるかどうかが分かりにくい理由は、大きく3つあります。
① 補助金は「ホームページ制作そのもの」を支援する制度ではない
多くの補助金は、「事業やサービスの成長・転換のための投資」を支援する制度です。
つまり、補助金の主役は次の取組みであり、ホームページはあくまで補助的(販促・周知)な位置付けとされるケースがほとんどです。
- 新しい事業・サービス
- 生産性向上のための設備
- 業務プロセスの改善
② ヘルスケア業界は「公的制度収入」との関係が厳しく見られる
近年の補助金制度では、以下のような公的制度収入との二重給付に対するチェックが非常に厳しくなっています。
- 診療報酬
- 療養費(あはき・柔整)
- 介護報酬
- 障害福祉サービス等報酬
③ 補助金ごとにWeb費用の扱いが異なる
- Web制作が「一部OK」の補助金
- 上限額が厳しく制限されている補助金
- そもそも対象外になった補助金
が混在しているため、表面的な情報だけでは判断できません。
近年の補助金制度における大きな変化【重要】
ここ数年で、ヘルスケア業界を取り巻く補助金制度は明確に変化しています。
公的制度収入がある事業は「原則NG」と明記される補助金が増加
近年の国の補助金では、以下のような条件が明文化されるケースが増えました。
- 現在の事業収入の大半が公的制度収入である場合
- 補助金を使って行う事業・サービスが、公的制度収入になる場合
これらに該当する場合、「補助対象外」とされる補助金が増えています(※すべての補助金ではありません)。
なぜ制限が強化されたのか
理由はシンプルです。
すでに国の制度(診療報酬・介護報酬等)で成り立っている事業が、さらに補助金を受け取ることは「二重の公的支援」と見なされるという考え方が明確になったためです。
昔は通ったが、今は通らないケース(実例)
過去に可能だった例
- 療養費を扱う接骨院が、既存事業の強化目的で補助金を活用
- 自由診療の整体院が、介護報酬を主収益とするデイサービスを新規立ち上げる際に補助金を活用
こうしたケースは、数年前までは実際に採択された事例が存在します。
現在はどうか
現在は、次のように既存事業の延長線で補助金を使うことは非常に難しくなっています。
- 保険診療・療養費が主収益の治療院
- 介護報酬が中心の介護福祉施設
ヘルスケア事業者が補助金申請で必ず整理すべき3つの視点
ホームページ制作に補助金を使えるかどうかを判断する際、以下の整理が不可欠です。
① 現在の収益構造(保険 vs 自由診療)
- 公的制度収入の割合はどの程度か
- 自由診療・自費サービスの売上比率はどのくらいか
「自由診療が明確に主軸かどうか」が重要です。
② 補助金を使う取組みは「自由診療向け」か
- 補助金を使って強化するサービスは以下が曖昧なままでは、申請自体が成立しません。
- 自由診療か
- 公的制度収入に該当するか
③ ホームページは「主役」か「脇役」か
国の補助金では、以下のような位置付けが原則となります。
- 事業・サービス → 主役
- ホームページ → 副次的手段
国の補助金でWeb関連費用が制限される理由
近年、多くの国の補助金で以下のような傾向が見られます。
- Web制作・広告費に上限額が設けられる
- IT導入補助金ではHP・ECサイトが対象外になる
なぜ制限されるのか
補助金の本来の目的は、「何をする事業なのか」「どんな付加価値を生むのか」という点にあります。
ホームページはあくまで事業を周知・訴求するための補助的な手段と整理されるため、単独での申請や高額計上が認められにくくなっています。
それでも「補助金 × ホームページ制作」が可能なケース
すべてが不可能になったわけではありません。
可能性が残る代表的なケース
- 自由診療・自費サービスが明確な事業
- 公的制度収入につながらない新規事業・新サービスの立ち上げ
- 設備投資が主で、Webは補助的に位置付けられている
また、地方自治体(都道府県・市区町村)の補助金・助成金では、比較的柔軟にWeb制作を対象としているケースも残っています。
補助金別に見る「ホームページ制作」の扱い方
ここでは、ヘルスケア事業者から相談の多い代表的な補助金について、ホームページ制作がどのように扱われるかを整理します。
小規模事業者持続化補助金の場合
位置付け
- 主:販路開拓・業務効率化のための取組み
- 従:広報費(ホームページ制作・改修 等)
ポイント
- ホームページ制作は「広報費(Web関連費用)」として申請可能
- ただし補助金の主目的にはできない
- Web制作費のみでは申請できない
実務上の考え方
- 例)新しい自由診療メニュー導入
→ 専用設備導入(主)+専用ページ制作(従)
自由診療・自費サービスの販促として明確に整理する必要あり
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新事業進出補助金
位置付け
- 主:設備投資・新事業の開始
- 従:販促・Web活用
ポイント
- ホームページはあくまで副次的
- 設備や始める新事業の内容が明確でなければ申請不可
- Web制作単体では申請できない
実務上の考え方
- 例)新しい事業の開始
→ 新事業開始に伴う専用設備導入(主)+専用ページ制作(従)
公的制度収入が主の場合、事業内容次第で対象外
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ものづくり・商業・サービス補助金の場合
位置付け
- 主:設備投資・新製品またはサービス開発
- 従:販促・Web活用
ポイント
- ホームページはあくまで副次的
- 設備や製品・サービス内容が明確でなければ申請不可
- Web制作単体では申請できない
実務上の考え方
- 例)新しい製品開発および販売
→ 製品開発費用(主)+ECサイトで製品販売(従)
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IT導入補助金の場合
重要な変化
- 近年、ホームページ・ECサイトは対象外
- 予約システム・業務ソフト等が中心
ポイント
- 業務効率化(生産性向上)のためのITツール導入が主目的
- Web制作と混同しない整理が必須
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国の補助金と自治体補助金の決定的な違い
国の補助金の特徴
- 目的が厳密
- 公的制度収入との関係が厳しく審査される
- Web費用は制限されがち
自治体(県・市区町村)の補助金・助成金の特徴
- 地域経済・事業者支援が目的
- Web制作・広告費が対象になるケースが多い
- 上限額は小さいが柔軟
実務的には
- 国の補助金が難しい場合
→ 自治体補助金を検討する余地あり
ホームページ制作で「NG」になりやすい申請パターン
① ホームページ制作が事業の主目的になっている
- 「集客強化のためHPを作る」だけ
→ 補助金の趣旨と合わない
② 公的制度収入向けの事業に使おうとしている
- 保険診療・療養費・介護報酬向けの集客
→ 二重給付と判断されやすい
③ 事業計画とWeb内容が一致していない
- 計画書では新サービス開始
- HPでは既存メニュー中心に周知・訴求
→ 整合性欠如で不採択
採択されやすい「OKパターン」の考え方
① 自由診療・自費サービスが明確
- 対象顧客
- 提供価値
- 価格帯
が整理されている。
② 事業が主、Webは手段として整理されている
- 事業計画:設備・サービス内容が中心
- Webサイト:周知・訴求のための補助施策
③ 申請前に「対象かどうか」を確認している
- 制度理解不足による申請ミスを防止
- 無駄な工数・費用を回避
申請前に必ず行うべきこと|無料チェックの重要性
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補助金を「使えるかどうか」から確認しませんか?
補助金を使ったホームページ制作は、制度理解と事業整理ができていないまま進めると、時間もコストも無駄になってしまいます。
まずは「自社が補助金の対象になるか」を確認し、必要に応じて、事業内容に合ったホームページ設計を検討する。
その順番が、もっとも現実的な進め方です。
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まとめ
補助金を使ったホームページ制作は、誰でも・どんな場合でも可能というわけではありません。
近年の補助金制度では、公的制度収入との二重給付を避けるため、医療機関や治療院、介護福祉施設に対する審査が厳格化しています。
また、国の補助金ではWeb関連費用はあくまで副次的な位置付けとなり、ホームページ制作単体での申請は難しくなっています。
一方で、自由診療・自費サービスを明確にした新たな取組みや、自治体の補助金・助成金では、今も活用できる余地があります。
重要なのは「補助金が使えるか」ではなく、「自社の事業内容が制度に合っているか」を正しく整理することです。
申請を検討する際は、まず自社が対象になるかを確認し、無理のない形で活用を進めることが成功への近道となります。
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ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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