※申請受付期間等の一部の未公表となっている情報は、事業承継・引継ぎ補助金Webサイトにて後日公表される予定です。公表され次第、随時更新していきます。
中小企業庁は3月31日、事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しするための「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表しました。
再チャレンジに取り組むための廃業に係る経費の一部を補助する「廃業・再チャレンジ」の類型を新設し、従前からの「経営革新」「専門家活用」との併用申請も可能としました。同補助金は4月中旬の申請受付開始を予定しています。
なお、同補助金では申請期間を4期間設定しており、タイミングに応じた申請が可能となっているため、M&Aを検討している事業者の方は確認してください。
概要
事業承継・引継ぎ補助金は、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助するとともに、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継、事業再編・事業統合を促進し、日本経済の活性化を図ることを目的とする補助金です。
対象経費は、経営革新等にかかる費用(設備投資費用、人件費、店舗・事務所の改築工事費用等)および、引継ぎ時の専門家等活用に係る費用(M&A支援業者に支払う手数料、デューデリジェンスにかかる専門家費用等)や、経営革新・経営資源の引継ぎ・再チャレンジに伴う廃業費用となっています。
そして、事業承継・引継ぎ補助金は、「経営革新」、「専門家活用」、「廃業・再チャレンジ」の3類型に分かれています。各類型の概要は以下の通りです。
➀経営革新事業
事業承継やM&A(事業再編・事業統合等。経営資源を引き継いで行う創業を含む。)を契機とした経営革新等(事業再構築、設備投資、販路開拓、経営統合作業(PMI)等)への挑戦に要する費用を補助します。
- 補助率:2/3 補助上限:600万円以内
- 補助対象経費:設備投資費用、人件費、店舗・事務所の改築工事費用 等
➁専門家活用事業
M&Aによる経営資源の引継ぎを支援するため、M&Aに係る専門家等の活用費用を補助します。
- 補助率:2/3 補助上限:600万円
- 補助対象経費:M&A支援業者に支払う手数料※、デューデリジェンスにかかる専門家費用、セカンドオピニオン 等
※M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザー(FA)またはM&A仲介業者によるFAまたはM&A仲介費用に限る
➂廃業・再チャレンジ事業
再チャレンジを目的として、既存事業を廃業するための費用を補助します。
- 補助率:2/3 補助上限:150万円
- 補助対象経費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費 等
それでは、それぞれの類型について詳細を見ていきましょう。
経営革新
事業承継、M&A(経営資源を引き継いで行う創業を含む。)を契機として、経営革新等に挑戦する中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む。)が対象となります。
(こんな方におすすめ)
- 新しい商品の開発やサービスの提供を行いたい
- 新たな顧客層の開拓に取り組みたい
- 今まで行っていなかった事業活動を始めたい
- M&A後に行うPMIの支援を受けたい
支援類型
経営革新に取り組む中小企業・小規模事業者を「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」の3つの類型に応じて支援します。
創業支援型(Ⅰ型)
廃業を予定している者等から経営資源を引き継いでの創業を支援
経営者交代型(Ⅱ型)
事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者を支援
M&A型(Ⅲ型)
事業再編・事業統合を契機として、経営革新等に取り組む者を支援
補助対象者
本補助金の補助対象者は、以下の1.~11.の要件を満たし、かつ後述する「事業承継の要件」を満たす中小企業者等または特定非営利活動法人であること。
- 日本国内に拠点又は居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
- 補助対象者は、地域経済に貢献している(創業支援型(Ⅰ型)においては貢献する予定の)中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支える等、地域経済に
貢献している(または貢献する予定の)中小企業者等であること。 - 補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。また、反社会的勢力との関係を有しないこと。なお、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。
- 補助対象者は、法令遵守上の問題を抱えていないこと。
- 補助対象者は、事務局から質問及び追加資料等の依頼があった場合は適切に対応すること。
- 補助対象者は、事務局が必要と認めるときは、事務局が補助金の交付申請ほか各種事務局による承認及び結果通知に係る事項につき修正を加えて再度通知することに同意すること。
- 補助対象者は、補助金の返還等の事由が発生した際、申請その他本補助金の交付にあたり負担した各種費用について、いかなる事由においても事務局が負担しないことについて同意すること。
- 補助対象者は、経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構から補助金指定停止措置又は指名停止措置が講じられていないこと
- 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国及び独立行政法人中小企業基盤整備機構に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること
- 事務局が求める補助対象事業に係る調査やアンケート等に協力できること。
- 以下のいずれかに該当すること。
① 中小企業基本法等の小規模企業者
② 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者
③ 新型コロナウイルス感染症拡大以前と比べて売上高が減少している者
―具体的には、2020 年 4 月以降の連続する 6 か月のうち、任意の 3 か月の合計売上高が、新型コロナウイルス感染症拡大期以前(2019 年 1 月~2020 年 3 月)の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること。
④ 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等からの支援を受けており、公募申請時において以下のいずれかに該当することを証明する書類を提出する者
1)再生計画等を「策定中」の者
2)再生計画等を「策定済」かつ公募終了日から遡って 3 年以内に再生計画等が成立等した者
事業承継の要件
補助対象事業となる事業承継は、2017年4月1日から2023年1月31日(以下、「事業承継対象期間」という。)に、中小企業者等間における事業を引き継がせる者(以下、「被承継者」という。)と事業
を引き継ぐ者(以下、「承継者」という。)の間でM&A 等を含む事業の引き継ぎを行った又は行うこととし、本補助金で定める形態(事業承継形態に係る区分整理)を対象とします。
なお、承継者と被承継者による実質的な事業承継が行われていない(例:グループ内の事業再編、物品・不動産等のみを保有する事業の承継等)と事務局が判断した場合及び、M&A 型(Ⅲ型)において親族内承継であると事務局が判断した場合等は対象外となります。
また、M&A 型(Ⅲ型)のうち株式譲渡の形態においては、株式譲渡後に承継者が保有する被承継者の議決権が過半数超になることを補助対象事業の要件とします。
補助対象事業
経営者の交代又は事業再編・事業統合等を契機として、承継者が引き継いだ経営支援を活用して行う経営革新等に係る取組を補助対象事業とする。なお、「認定経営革新等支援機関による確認書」にて下記要件を満たしていることの確認を実施すること。
(1) 中小企業者等である被承継者から事業を引き継いだ中小企業者等である承継者による、引き継いだ経営資源を活用した経営革新等に係る取組であること。
(2) 「5.補助対象者 (11)」の①~④に該当する者が行う経営革新的な事業であること。具体的には、以下に例示する内容を伴うものであり、かつ、補助事業期間を含む事業計画において、実行的な支援として、認定経営革新等支援機関の署名がある確認書をもって確認ができる事業であること。
- デジタル化に資する事業
- グリーン化に資する事業
- 事業再構築に資する事業(新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換)
(3) 補助対象事業は、以下のいずれにも合致しないこと。
- 公序良俗に反する事業
- 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号)第 2 条において規定される各営業を含む)
- 国(独立行政法人を含む)及び地方自治体の他の補助金、助成金を活用する事業
補助対象経費
補助対象事業を実施するために必要となる経費のうち、以下の1.~3.の全ての要件を満たすものであって、事務局が必要かつ適切と認めたものが補助対象経費となります。
- 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費
- 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費
費目名 | 概要 | |
事業費 | 人件費 | 補助対象事業に要する賃金 |
店舗等借入費 | 国内の店舗・事務所・駐車場の賃借料・共益費・仲介手数料 | |
設備費 | 国内の店舗・事務所等の工事、国内で使用する機械器具等調達費用 | |
原材料費 | 試供品・サンプル品の製作に係る経費(原材料費) | |
産業財産権等関連経費 | 補助対象事業実施における特許権等取得に要する弁理士費用 | |
謝金 | 補助対象事業実施のために謝金として依頼した専門家等に支払う経費 | |
旅費 | 販路開拓等を目的とした国内外出張に係る交通費、宿泊費 | |
マーケティング調査費 | 自社で行うマーケティング調査に係る費用 | |
広報費 | 自社で行う広報に係る費用 | |
会場借料費 | 販路開拓や広報活動に係る説明会等での一時的な会場借料費 | |
外注費 | 業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費 | |
委託費 | 業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費 | |
廃業費 | 廃業支援費 | 廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費 |
在庫廃棄費 | 既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費 | |
解体費 | 既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費 | |
原状回復費 | 借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用 | |
リースの解約費 | リースの解約に伴う解約金・違約金 | |
移転・移設費用(Ⅰ型・Ⅲ型のみ計上可) | 効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費 |
補助上限額・補助率等
補助対象者に交付する補助額は補助対象経費の 3 分の 2 以内であって、以下のとおりとなります。
※ 補助金の交付は補助対象事業完了後の精算後の支払い(実費弁済)
類型 | 対象となる経費 | 補助率 | 補助上限 |
創業支援型(Ⅰ型) | 人件費、外注費、委託費、設備費、謝金、旅費、廃棄費用等 (廃業登記費、在庫処分費、解体費、現状回復費等) |
補助対象経費の2/3以内 ※補助額の内400万円超~600万円の部分の補助率は1/2 |
600万円以内 ※生産性向上要件を満たさない場合は400万円以内 ※廃業費用に関連する上乗せ額は150万円以内 |
経営交代型(Ⅱ型) | |||
M&A型(Ⅲ型) |
加点事由
以下のいずれかの事由に該当する場合は、審査において加点されます。
※それぞれ、該当することを証する書類を提出が必要となります。
- 「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けていること
- 交付申請時に有効な期間における経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認又は先端設備等導入計画の認定書を受けていること
- 交付申請時に地域おこし協力隊として地方公共団体から委嘱を受けており、かつ承継者が行う経営革新等に係る取組の実施地が当該地域(市区町村)であること
- Ⅰ型の申請にあたって、認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けていること
- Ⅰ・Ⅲ型の申請にあたって、第三者により補助対象事業となる事業承継の形態に係るPMI 計画書(100 日プラン等)が作成されていること
- 地域未来牽引企業であること
- 新型コロナウイルス感染症拡大以後(2020年1月以降)に承継をしていること。(補助対象期間中の承継も含む)
専門家活用(買い手支援型、売り手支援型)
事業承継・引継ぎ補助金において、事業再編・事業統合に伴う中小企業者等の経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業として専門家活用事業として「買い手支援型」、「売り手支援型」の2 類型が定められています。
そのため、M&Aにより経営資源を他者から引継ぐ、あるいは他者に引継ぐ予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む。)が対象となります。
(こんな方におすすめ)
- M&Aの成約に向けて取組を進めている方
- M&Aに着手しようと考えている方
支援類型
事業承継・引継ぎ補助金は、地域の需要及び雇用の維持や、地域の新たな需要の創造及び雇用の創出を図り、我が国経済を活性化させる事業再編・事業統合を促進するという観点から、以下の 2 類型(「買い手支援型(Ⅰ型)」、「売り手支援型(Ⅱ型)」)を対象としています。
買い手支援型(Ⅰ型)
事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業・小規模事業者を支援
売り手支援型(Ⅱ型)
事業再編・事業統合等に伴い自社が有する経営資源の引継ぎが行われる予定の中小企業・小規模事業者を支援
補助対象者
本補助事業の補助対象者は、以下の1.~10.の要件を満たし、かつ後述する「経営資源引継ぎの要件」を満たす最終契約書の契約当事者(予定含む)たる中小企業者等となります。
ただし、売り手支援型(Ⅱ型)の株式譲渡に関しては、以下の1.~10.の要件を満たし、かつ後述する「経営資源引継ぎの要件」を満たす株式譲渡に伴い異動する株式を発行している中小企業(対象会社)及び対象会社と共同申請した対象会社の議決権の過半数を有する株主(支配株主)または対象会社の議決権の過半数を有する株主の代表者(株主代表)とする。
- 日本国内に拠点又は居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
- 補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。また、反社会的勢力との関係を有しないこと。なお、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。
- 補助対象者は、法令遵守上の問題を抱えていないこと。
- 補助対象者は、事務局から質問及び追加資料等の依頼があった場合は適切に対応すること。
- 補助対象者は、事務局が必要と認めるときは、事務局が補助金の交付申請ほか各種事務局による承認及び結果通知に係る事項につき修正を加えて再度通知することに同意すること。
- 補助対象者は、補助金の返還等の事由が発生した際、申請その他本補助金の交付にあたり負担した各種費用について、いかなる事由においても事務局が負担しないことについて同意すること。
- 補助対象者は、経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構から補助金指定停止措置又は指名停止措置が講じられていないこと
- 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国及び独立行政法人中小企業基盤整備機構に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること
- 事務局が求める補助対象事業に係る調査やアンケート等に協力できること。
- ファイナンシャルアドバイザー(以下、「FA」という)・M&A 仲介費用を補助対象経費とする場合は、補助事業対象者の内容について、「M&A 支援機関登録制度」に登録された登録 FA・M&A 仲介業者により、M&A 支援機関登録制度事務局に対し実績報告がなされることに同意すること。
経営資源引継ぎの要件
補助対象事業となる経営資源引継ぎは、補助事業期間に経営資源を譲り渡す者(以下、「被承継者」という。)と経営資源を譲り受ける者(以下、「承継者」という。)の間で事業再編・事業統合が着手もしくは実施される予定であること、又は廃業を伴う事業再編・事業統合等が行われる予定であることとし、公募要領における「経営資源引継ぎ形態に係る区分整理」で定める形態を対象としています。
なお、承継者と被承継者による実質的な事業再編・事業統合が行われていない(例:事業再編・事業統合を伴わない物品・不動産等のみの売買、グループ内の事業再編及び親族内の事業承継等)と事務局が判断した場合は対象外となります。
補助対象事業
事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の補助対象者において、「支援類型」及び「経営資源引継ぎの要件」に該当し、加えて以下の要件を満たしていること。
(1) 補助対象事業は、以下の①または②に該当すること。
①買い手支援型においては以下の 2 点を満たすこと
- 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
- 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。
②売り手支援型においては以下の点を満たすこと
- 地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。
(2) 補助対象事業は、以下のいずれにも合致しないこと。
- 公序良俗に反する事業
- 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 121 号)第 2 条において規定される各営業を含む)
- 国(独立行政法人を含む)及び地方自治体の他の補助金、助成金を活用する事業
※ 同一の補助対象経費に対して国(独立行政法人を含む)及び地方自治体の他の補助金、助成金の交付を受けている、又は受ける見込みである場合は対象外
補助対象経費
補助対象事業を実施するために必要となる経費のうち、以下の1.~3.の全ての要件を満たすものであって、事務局が必要かつ適切と認めたものが補助対象経費となります。
- 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費
- 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費
類型 | 補助対象経費の区分 |
買い手支援型(Ⅰ型) | 謝金、旅費、外注費、委託費*¹、システム利用料*²、保険料*³、廃業費*⁴(廃業支援費、在庫廃棄費*⁵、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用) |
売り手支援型(Ⅱ型) |
補足
(※1)委託費のうち、FA 業務又は仲介業務に係る、相談料、着手金、中間報酬及び成功報酬等の中小M&A の手続進行に関する総合的な支援に関する経費等に関しては、「M&A 支援機関登録制度」に
登録された登録 FA・仲介業者が支援したものに限り補助対象経費となる。「M&A 支援機関登録制度」に登録された FA・M&A 仲介業者の要件確認は、実績報告提出時とする。
(※2)M&A マッチングサイト等プラットフォーマーが提供するサイトを利用した際の登録料、利用料、成約手数料はシステム手数料に区分する。ただし、プラットフォーマーが付加的に提供する FA 又は仲介業務に関するサービスについては、委託費に区分して整理する。なお、その際の委託費については、「M&A 支援機関登録制度」に登録された登録 FA・仲介業者が支援したものに限り補助対象経費となる。
(※ 3)保険料は、M&A 当事者間で交わされる最終合意契約に規定される表明保証条項に関して、事後的に当該表明保証条項違反が判明することに起因して発生する損害等を補償目的とする保険契約等
に係る保険料に関するものが対象となる。買い手支援型(Ⅰ型)では、買い手手配の表明保証保険に係る保険料が対象。売り手支援型(Ⅱ型)では、売り手手配の表明保証保険に係る保険料が対象。
ただし、同一成約事案に対して買い手及び売り手が重複加入とならないようにすることが必要。また、実績報告時に、表明保証保険に関する報告(表明保証保険利用の理由、買い手手配又は売り手手配となった理由、デューデリジェンス(相当する評価を含む)の実施に関する事項等)を求める。
(※ 4)廃業費は廃業・再チャレンジ申請と併用申請した場合のみ補助対象経費となるため注意すること。
(※ 5)商品在庫等を売却して対価を得る場合の処分費は、補助対象経費とならないため注意すること。
委託費について
委託費のうち、FA・M&A 仲介費用については、「M&A 支援機関登録制度」に登録された登録 FA・M&A 仲介業者による FA 又は M&A 仲介費用のみが補助対象経費となります。
M&A登録支援機関
登録 FA・M&A 仲介業者については、中小企業庁 HP 又は M&A 支援機関登録制度事務局 HP において公表しているため、補助対象事業において FA 又は M&A 仲介業者の利用を検討する場合は必ず参照してください。
※「M&A 支援機関登録制度」に登録された FA・M&A 仲介業者かの要件確認は、実績報告提出時とする。
(参考 URL):https://ma-shienkikan.go.jp/
中間報酬、成功報酬について
委託費のうち、FA・M&A 仲介費用の基本合意に基づく「中間報酬」については、補助事業期間内に以下 A 又は B を行い、補助事業期間内に支払った経費が補助対象経費となります。
また、FA・M&A 仲介費用の最終契約に基づく「成功報酬」については、補助事業期間内に以下 A 又は C を行い、補助事業期間中に支払った経費が補助対象経費となります。なお、2022 年 3 月 31 日前に締結した FA・M&A 仲介業者との委任契約に専任条項*¹があり、相見積を取得することが FA・M&A 仲介業者との契約上困難な場合は、当該補助対象経費について、相見積の取得は不要となります。
- A. 選任専門家と契約書を締結
- B. 交渉相手と中間報酬について定めのある基本合意書を締結(意向表明書は不可)
- C. 交渉相手と成功報酬について定めのある最終契約書を締結
(※1)専任条項とは、FA・M&A 仲介業者との委任契約の内容において、並行して他の M&A 専門業者への業務依頼を行うことを禁止する条項のこと。なお、中小 M&A ガイドラインでは専任条項の対象範囲を無限定にすることは推奨していないため留意すること。
補助上限額・補助率等
補助対象者に交付する補助額は補助対象経費の 3 分の 2 以内であって、以下のとおりとなります。
※ 補助金の交付は補助対象事業完了後の精算後の支払い(実費弁済)
類型 | 補助率 | 補助上限 |
買い手支援型(Ⅰ型) | 補助対象経費の2/3以内 | 600万円以内 ※補助事業期間内に経営資源の引継ぎが実現しなかった場合は、補助上限額が300万円以内に変更となります。 ※廃業費に関連する上乗せ額は150万円以内となります。ただし、関連する経営資源の引継ぎが補助事業対象期間内に実現しなかった場合は、補助対象外となります。 |
売り手支援型(Ⅱ型) |
加点事由
以下のいずれかの事由に該当する場合は、審査において加点されます。
※それぞれ、該当することを証する書類を提出が必要となります。
【買い手支援型(Ⅰ型)・売り手支援型(Ⅱ型)共通】
- 経営力向上計画の承認を得ており、経営力向上計画の承認通知を交付申請時に提出した場合
- 経営革新計画の承認を得ており、経営革新計画の承認通知を交付申請時に提出した場合
- 地域未来牽引企業の認定を受けており、地域未来牽引企業の認定通知を交付申請時に提出した場合
- 中小企業の会計に関する基本要領を遵守しており、顧問会計専門家印のあるチェックリストを交付申請時に提出した場合
- 中小企業の会計に関する指針を遵守しており、顧問会計専門家印のあるチェックリストを交付申請時に提出した場合
- 中小企業基本法等の小規模企業者
【売り手支援型(Ⅱ型)のみ】
- 直近決算期の、営業利益または経常利益が赤字の者
- 2020 年 4 月 1 日以降に決算が行われた任意の事業年度の売上高が、2020 年 3 月末日までに決算が行われた事業年度のうち、最新の事業年度の売上高と比較して減少していること
廃業・再チャレンジ
事業承継・引継ぎ補助金において、再チャレンジに取り組むための廃業に係る経費の一部を補助する事業として、定められています。
そのため、既存の事業を廃業し、新たな取り組みにチャレンジする予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む。)が対象となります。
※再チャレンジの主体は、法人の場合は株主、個人事業主の場合は個人事業主本人となります。
(こんな方におすすめ)
- 事業の廃業を考えている方
対象となる廃業・再チャレンジ
中小企業・小規模事業者が再チャレンジを目的として既存事業を廃業する際の費用の一部を補助します。
(1)事業承継またはM&Aで事業を譲り受けた後の廃業
事業承継(事業再生を伴うものを含む)によって事業を譲り受けた中小企業者等が、新たな取り組みを実施するにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※経営革新事業との併用
(2)M&Aで事業を譲り受けた際の廃業
M&Aによって事業を譲り受ける中小企業者等(他者の経営資源を引き継いで創業した者も対象)が、事業を譲り受けるにあたって既存の事業あるいは譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※専門家活用事業との併用
(3)M&Aで事業を譲り渡した際の廃業
M&Aによって事業を譲り渡す中小企業者等が、M&A後も手元に残った事業を廃業する場合。
※専門家活用事業との併用
(4)M&Aで事業を譲り渡せなかった廃業・再チャレンジ
M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主、または個人事業主が、地域の新たな需要の創造または雇用の創出にも資する新たなチャレンジをするために既存事業を廃業する場合。
補助対象者
本補助金の補助対象者は、以下の1.~10.の要件を満たし、かつ後述する「廃業・再チャレンジの要件」を満たす中小企業者等であること。
なお、「廃業・再チャレンジの要件」1.~3.に該当する場合は、経営革新事業または専門家活用事業との併用すること(以下、「併用申請」という。)とし、補助対象者は、経営革新事業または専門家活用事業の公募要領に記載された要件を満たす中小企業者等であることが必要。
また、「廃業・再チャレンジの要件」4.に該当する場合は、以下の11.及び12.の要件を満たすことが必要。
経営革新事業または専門家活用事業いずれかの事業と併用せず、廃業・再チャレンジ事業単独で申請する場合(再チャレンジ申請)は、廃業する予定である中小企業(対象会社)及び対象会社の議決権の過半数を有する株主(支配株主)または対象会社の議決権の過半数を有する株主の代表者(株主代表)のいずれかにて共同申請することが必要。
- 日本国内に拠点又は居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。
- 補助対象者は、地域経済に貢献している(しようとしている)中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支える等、地域経済に貢献している(しようとしている)中小企業者等であること。
- 補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。また、反社会的勢力との関係を有しないこと。なお、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。
- 補助対象者は、法令遵守上の問題を抱えていないこと。
- 補助対象者は、事務局から質問及び追加資料等の依頼があった場合は適切に対応すること。
- 補助対象者は、事務局が必要と認めるときは、事務局が補助金の交付申請ほか各種事務局による承認及び結果通知に係る事項につき修正を加えて再度通知することに同意すること。
- 補助対象者は、補助金の返還等の事由が発生した際、申請その他本補助金の交付にあたり負担した各種費用について、いかなる事由においても事務局が負担しないことについて同意すること。
- 補助対象者は、経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構から補助金指定停止措置又は指名停止措置が講じられていないこと
- 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国及び独立行政法人中小企業基盤整備機構に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること
- 事務局が求める補助対象事業に係る調査やアンケート等に協力できること。
- M&A(事業の譲り渡し)に着手したものの、成約に至らなかった者であること
- 廃業後、再チャレンジする事業に関する計画を作成し、認定支援機関の確認を受け、提出すること。
廃業・再チャレンジの要件
併用申請の場合は補助事業期間(下記、「9. 補助事業期間」において定義する。)終了日までにM&Aまたは廃業が完了していること。また廃業に伴って以下の1.~3.を行った、または行う予定であること。
再チャレンジ申請の場合は補助事業期間終了日までに廃業が完了していること。また廃業に伴って以下の4.を行った、または行う予定であること。
【廃業に伴って求められる行動】
- 事業承継後M&A後の新たな取り組み
- M&Aによって他者から事業を譲り受ける。(全部譲渡・一部譲渡含む。)
- M&Aによって他者に事業を譲り渡す。(全部譲渡・一部譲渡含む)
- 2020年以降に売り手としてM&Aへの着手し、6か月以上取り組んでいること+廃業後に再チャレンジ
※1.の内容は経営革新事業の補助対象事業に、2.3.の内容は専門家活用の補助対象事業に該当し、経営革新事業または専門家活用事業で採択されていることが必要。(補助対象事業に該当するものの採択されていない、あるいは別の補助金に採択されているケースにおいて本事業の申請は不可。)
補助対象事業
中小企業者等が、事業承継やM&Aに伴う廃業、経営者の交代又はM&A等を契機として承継者が行う経営革新等に伴う廃業(併用申請)、中小企業者等(またはその株主)もしくは個人事業主が新たなチャレンジをするために行う既存事業の廃業(再チャレンジ申請)を補助対象事業とする。
(1)廃業の対象は以下のパターンがあり、再チャレンジ申請の場合は①のみ、併用申請の場合は①②が申請の対象となる。
- 会社自体を廃業するために、補助事業期間内に廃業登記を行う、在庫を処分する、建物や設備を解体する、原状回復を行う事業
- 事業の一部を廃業(事業撤退)するために、補助事業期間内に廃業登記を行う、在庫を処分する、建物や設備を解体する、原状回復を行う事業
(2) 廃業する事業が補助対象事業は、以下のいずれにも合致しないこと。
- 公序良俗に反する事業
- 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 121 号)第 2 条において規定される各営業を含む)
- 国(独立行政法人を含む)及び地方自治体の他の補助金、助成金を活用する事業
※ 同一の補助対象経費に対して国(独立行政法人を含む)及び地方自治体の他の補助金、助成金の交付を受けている、又は受ける見込みである場合は対象外
補助対象経費
補助対象事業を実施するために必要となる経費のうち、以下の1.~3.の全ての要件を満たすものであって、事務局が必要かつ適切と認めたものが補助対象経費となる。
- 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費
- 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費
廃業支援費 | ・廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費 ・解散事業年度・清算事業年度・残余財産確定事業年度(いずれも法人の場合)における会計処理や税務申告に係る専門家活用費用 ・精算業務に関与する従業員の人件費※上限額50万円 |
在庫廃棄費 | 既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費
※商品在庫等を売却して対価を得る場合の処分費は、補助対象経費とならない |
解体費 | 既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費 |
原状回復費 | 借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用 |
リースの解約費 | リースの解約に伴う解約金・違約金 |
移転・移設費用 (併用申請のみ計上可) |
効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費 |
補助上限額、補助率等
補助対象者に交付する補助額は、補助対象経費の 3 分の 2 以内であって、以下のとおりとなります。
※ 補助金の交付は事業完了後の精算後の支払い(実費弁済)
対象となる経費 | 補助率 | 補助下限額 | 補助上限 |
廃業費 (廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、現状回復費、リースの解約費、移転・移設費用) |
補助対象経費の2/3以内 | 50万円 | 150万円以内 |
加点事由
以下のいずれかの事由に該当する場合は、審査において加点されます。
※それぞれ、該当することを証する書類を提出が必要となります。
- 再チャレンジする主体の年齢が若いこと
- 再チャレンジの内容が、「起業(個人事業主含む)」「引継ぎ型創業」であること。
補助事業期間
本補助事業における補助事業期間は、2023 年 1 月 31 日まで
ただし、申請時点で補助対象経費に係る契約・発注を行っている場合、もしくは申請後交付決定前に補助対象経費に係る契約・発注を行う予定がある場合は、申請時に事前着手の届出を申請し、事務局の承認を受けることで、事務局が認めた日を補助対象事業の事業開始日とすることができる
なお、事前着手は第1回公募のみ対象で、事前着手が承認された場合であっても、2022年3月31日より前に行われた契約・発注については、補助対象経費として認められない。
交付申請
申請受付期間
今回の公募では、申請期間を4期間設定しており、タイミングに応じた申請が可能となっています。
第1回の申請受付開始は以下の通りです。
- 経営革新事業:未公開
- 専門家活用事業:4月22日(金)~5月31日(火)
17:00まで - 廃業・再チャレンジ事業:4月28日(木)~5月31
日(火)17:00まで
電子申請が必須
電子申請システム(jGrants)のみで交付申請をおこなっているため、事前にgBizIDのアカウント作成が必要となります。
gBizIDの申請・発行には 1 ~2週間程度必要となる場合がありますので、事前に取得しましょう。
参考
- jGrants について:https://www.jgrants-portal.go.jp/
- gBizID について:https://gbiz-id.go.jp/top/
最後に
今回は、「事業承継・引継ぎ補助金」について説明してきました。
M&Aに必要な取組であれば広範囲の経費が対象になるお得な補助金でとなっているため、M&Aを検討している方は是非この補助金の申請を検討してみてください!
また弊社は、M&A 支援機関制度の登録事業者のため、専門家活用の費用も対象となります。
施術ビジネス(治療院、整骨院、鍼灸・マッサージ院、整体・リラクゼーション、美容・エステサロンなど)業界においても、M&A案件が増加しています。「事業承継・引継ぎ補助金」を活用してM&Aを検討している事業者の方はぜひご相談ください。
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