2024/8/8、矢野経済研究所による「柔道整復・鍼灸・マッサージ市場に関する調査を実施(2024年)」調査結果がプレスリリースされ、市場規模・動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにしました。
そのため、ここでは調査結果のサマリーを紹介します。
目次
2023年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は前年比3.0%増の9,850億円と推計
~コロナ禍の行動制限緩和による来院患者数増加を背景に、いずれの治療院も堅調に推移~
株式会社矢野経済研究所は、国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場を調査し、市場規模・動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
<柔道整復・鍼灸・マッサージ市場とは>
柔道整復とは、国家資格者である柔道整復師が提供する医療類似行為(サービス)であり、鍼灸とは、国家資格者であるはり師・きゅう師が提供する医療類似行為(サービス)、また、マッサージとは、国家資格者であるあん摩マッサージ指圧師が提供する医療類似行為(サービス)である。
本調査における柔道整復・鍼灸・マッサージ市場とは、いずれも国家資格者である施術者が行う医療類似行為(サービス)を対象として、事業者売上高ベースで算出した。
市場概況
接骨院や鍼灸院、マッサージ院等で行われる施術は、いずれも国家資格者である施術者が行う医療類似行為(サービス)として位置づけられており、整形外科での医療行為や整体・カイロプラクティックなど民間資格を持つ施術者による療法とは異なる。
2022年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場規模(事業者売上高ベース)はとくに民間資格サロンや整形外科など周辺業種との競合が激しい柔道整復(接骨院)市場が低迷したこともあり、前年比98.8%の9,560億円と微減推移した。2023年は5月に新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが5類に移行し、行動制限緩和で来院患者数が増加したことを背景に、各市場とも堅調に推移したことで2023年の同市場は前年比103.0%の9,850億円となった。
将来展望
国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は、治療院数の増加による競合増に加え、民間資格サロンや整形外科など周辺業種との患者獲得を巡る競争が激しくなっている。いずれの治療院もこれまでと同じやり方、同じサービスの継続では立ち行かなくなる可能性が高いと考える。
今後、接骨院・鍼灸院・マッサージ院において取り組んでいかないといけない経営上の課題としては、①同業者や周辺業種との競合による来院患者数の減少への対応、②労働環境改善による人材確保や教育のマニュアル化による人材育成、③厚生労働省が示した、医療機関と誤認させたり、効能をうたったりする広告表現を制限する広告ガイドラインへの対応が挙げられる。
最後に
2022年の市場は厳しい競争環境と周辺業種の影響で微減したものの、2023年には新型コロナウイルスの影響が緩和され、やや回復しました。
将来展望として、治療院間および周辺業種との競争がさらに激化することが予想されます。
このため、業界全体が同じサービスを提供し続けるだけでは持続的な成長が難しくなるでしょう。
経営者は、競争に対応するための患者数維持策や、人材確保と育成のための労働環境の改善、さらに広告ガイドラインへの適応が求められています。これらの課題に対する戦略的な対応が、今後の市場における生存と成長の鍵となります。
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