2021/1/6追記:最新の情報にリニューアルしています。
令和元年度・令和二年度補正予算「ものづくり・商業・サービス補助金」の一般型/5次締切分が公募中です。
4次締切との大きな違いは、特別枠・事業再開枠および小規模企業者加点が廃止されています。
多くの事業所では、新型コロナウイルスの影響で現状の危機に対処するために、必要に応じた資金繰り支援策を活用していると思います。
●支援策の「情報リンク集」と「主な支援策」
●融資一覧表と融資実行について
それと同時に新型コロナウイルス収束後、いわゆる「アフター(ポスト)コロナ」を見据えた新たな取り組みも考えていきたいと考えている事業所も多い。
しかし、当然ながら新規事業スタート、販路開拓、業態開発には投資も必要となってきます。
そこで、数ある補助金制度の中でも、中小企業ならほぼすべての業種で利用申請でき、予算規模が大きい「ものづくり・商業・サービス補助金」の活用をこの機会に検討してみてはどうでしょうか。
「ものづくり・商業・サービス補助金(一般型)」とは、中小企業者等(法人・個人)が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等に対して、かかる費用(上限1,000万円/中小企業1/2、 小規模事業者2/3 )を補助するという補助事業です。
さらに、事業再開枠として、業種ごとのガイドラインに基づいた感染拡大防止の取組を行う場合に、定額補助・上限50万円が上乗せされます。
ここで言う中小企業者の区分を表1に示します。
表1:事業者区分(経営治療コンサルティング作成)
このように、ほとんどの中小企業が該当するのではないでしょうか。
法人・個人事業主も対象のため、多店舗展開しグループ化している治療院・整骨院(接骨院)・整体院・エステサロン・美容サロン、フィットネスクラブなどでも対象になるケースは多いでしょう。
この「ものづくり・商業・サービス補助金」は、令和元年度・令和二年度補正予算において、表2のような類型で公募が行われますが、ここでは該当する事業所の多い一般型(通常枠・特別枠)について説明していきます。
表2:ものづくり・商業・サービス補助金の類型(経営治療コンサルティング作成)
そして、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために生産性向上に取り組む事業者向けに、補助率等を引き上げた「特別枠」を新たに設けました。
この「ものづくり・商業・サービス補助金」の一般型ですが、以前までは年に2回程度の公募でしたが、今年度から複数回の公募になり、さらに新型コロナウイルスの影響で「特別枠」が新設されました。
このため、事業者が公募をしやすくなりましたが、公募の度に内容の変化があり、通常枠と特別枠も内容が違うことから、2次締切の内容について以下の表3で整理しました。
表3:ものづくり・商業・サービス補助金の通常枠・特別枠(経営治療コンサルティング作成)
次に、この表における「通常枠」と「特別枠」の共通要件と、比較した際の「特別枠」の特徴的な事項を説明していきます。
共通要件
■以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること
- 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(被保険者の任意適用にに取り組む場合は、1%以上増加)
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
※給与支給総額:全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(俸給、給料、賃金、歳費及び賞与等は含み、福利厚生費や退職金は除く)。
- 要件が未達の場合は事業者に対して、特別な事情がある場合を除き、補助⾦額の⼀部返還が求められます。
- 被用者保険の任意適用(短時間労働者に社会保険を適用)に取り組む事業者は賃上げ加点、および賃上げ要件を緩和(年率平均1%以上増加)。
特別枠について
前提要件
共通要件に加えて、補助対象経費の6分の1以上が、以下のいずれか一つ以上の投資に取り組むことが必要となります。
A:サプライチェーンの毀損への対応
顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと
B:非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと
C:テレワーク環境の整備
従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること
※補助対象期間内に、少なくとも1回以上、テレワークを実施する必要があります。
特徴
一般型と比べて大きな特徴は、以下の5つです。
1.補助率:A類型2/3、B・C類型3/4
2.補助対象経費の拡大
- 通常枠:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
- 特別枠:上記に加えて、広告宣伝費・販売促進費
3.優先的に採択
- 特別枠で不採択になっても通常枠で優先的に採択
- 条件を満たす場合は、一般枠ではなく特別枠で申請
4.補助対象の遡及適用(補助金交付前の経費が対象)
- 新型コロナウイルスにおける影響を乗り越えるために、必要不可欠な緊急の設備・システム投資等であると認められる特別枠の申請者に限り、補助金交付決定前であっても、事務局から事前着手の承認を受けた日以降に発注・購入・契約等を行った事業に要する経費を、特例として対象とすることができます。緊急的な投資の必要性が認められない場合は承認できません
- 事前着手の承認のための申請受付期間:令和2年3月31日(火)~令和2年5月7日(木)17時まで(必着)
5.申請要件の緩和
- 付加価値向上・賃上げの達成年限を1年猶予
事業再開枠について
加点項目
加点項目では、該当事業所の多さと、加点以外にもメリットがある以下の3つをご紹介しておきます。
1.成長性加点:有効な期間の経営革新計画の承認を取得した(取得予定の)事業者
「経営革新計画」の承認を得ることで、保証・融資、税で優遇を受けられます。
多くの補助金・助成金の加点項目(優遇される)でもあり、上記メリットもある「経営革新計画」ですが、認定には概ね2ヶ月程度かかることから、検討されている事業所は早めに申請しておきましょう。
2.政策加点:小規模事業者 又は創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
3.災害等加点
③-1「新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために設備投資等に取り組む事業者(特別枠の申請者)」又は「令和元年度台風15号及び台風19号等の被災事業者(激甚災害指定地域に所在する者に限る)」
③-2「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した(取得予定の)事業者」
※事業継続力強化計画:中小企業向けの、簡単な防災・減災対策計画。防災・減災設備にかかる税制支援措置(20%の特別償却)や保証・融資で優遇を受けられます。
減点項目
過去3年以内に同じ補助⾦を受給している事業者は、交付決定回数に応じて減点
申請の注意点
- 補助金は後払いのため、設備投資を行う際には、感染症の影響を考慮して資金繰りに注意してください。
- 審査で求められていること(革新性や成長性、事業の実現性)を満たすことも必要ですが、その後の事務処理を円滑に行える体制を持つことなども要求されます。
- 共通要件である「給与支払い総額」の増加要件ですが、事前にシュミレーションをして交付される補助金の額(1,000万円)よりも人件費の方が多くならないように気をつけましょう。
まとめ
令和2年度ものづくり・商業・サービス補助金の「一般型」の「通常枠」と「特別枠」について整理してきました。多くの中小企業が、この補助金を活用できる一助になれればと思います。
詳細は、以下の公募要領をご確認ください。
●公募要領〔一般型(特別枠含む)〕(3次締切分)
最後に、電子申請と今後のスケジュールについて記載しておきます。
電子申請
ものづくり補助金では電子申請が必須となっています。
そのため、今後の申請を検討されている事業所は、電子申請に必要なgBIZ IDを早めに取得しておきましょう(取得には2週間程度かかります)。
今後のスケジュール
通常枠と特別枠は同じスケジュールで、2次締切後も申請受付を継続し、令和2年度内には、8月(3次)、11月(4次)、令和3年2月(5次)に締切を設け、それまでに申請のあった分を審査し、随時、採択発表を行います。(予定変更の場合があります。)
※特別枠および事業再開枠は4次締切で終了
■スケジュール
1次締切:3/31(火)17時
2次締切:5/20(水)17時
3次締切:令和2年8月3日(月)17時
4次締切:令和2年11月26日(木)17時 → 令和2年12月18日(金曜日)17時まで延長
5次締切:令和3年2月19日(金)17時
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