2025/3/5追記:最新の情報にリニューアルしています。
現代のビジネス環境において、効率的な運営と持続可能な成長は中小企業にとって重要な課題です。
特に人手不足が顕著な現場では、省力化技術の導入が経営の質を大きく左右します。
この背景を受け、政府は「中小企業省力化投資補助金」を通じて、中小企業の皆様が新たな技術を導入し、競争力を強化するための支援を行っています。
本記事では、この「中小企業省力化投資補助金」の概要から具体的な申請方法までを詳しくご紹介します。
「中小企業省力化投資補助金」は2類型ありますが、人手不足解消に効果のある省力化投資(生産性向上)が目的となる設備投資が対象となります。
「カタログ注文型」は、導入事業者毎の新たな開発が不要な汎用品であり、ハードウェアを伴ったカタログ掲載製品が対象となります。
一方、「一般型」は、自社の事業内容や導入環境に応じてオーダーメイド型の製品・システムの導入が対象となります。
尚、他の補助金活用方法につきましては、以下の「事業の対象」と「規模」を参考にして使い分けてください。
- ”ものづくり補助金”は、500万円以上~数千万円規模の新たな製品・サービス等の開発のための設備投資をおこないたい事業者
- ”事業再構築補助金”、”新事業進出補助金”は、500万円以上~数千万円規模の新たな事業に対する取組み
- ”小規模事業者持続化補助金”は、100万円~500万円規模の既存事業(現在おこなっている事業)の販路開拓・生産性向上の取組み
- "IT導入補助金"は、ソフトウェアのみで構成される製品を導入したい事業者
特に分かりづらい、既存の補助金制度との違いは以下となります。
省力化補助金(一般型)とものづくり補助金の違い
- 省力化補助金(一般型):既存事業の省力化、生産性向上を目的とした設備投資
- ものづくり補助金:革新的なサービス開発や試作品の開発、生産プロセスの改善
省力化補助金(カタログ注文型)とIT導入補助金の違い
- IT導入補助金:ITツールの導入が目的
- 省力化投資補助事業(カタログ注文型):ロボットやIoTの導入
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参考【19次締切に対応】ものづくり・商業・サービス補助金について
2025/2/28追記:最新の情報にリニューアルしています。 ものづくり補助金とは、その名称から「ものづくり補助金」は製造業や建設業のための補助金というイメージがあるかもしませんが、正式名称は「ものづ ...
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参考【第13回以降に対応】事業再構築補助金について
2025/1/11追記:最新の情報にリニューアルしています。第13回公募(新規応募受付の最終回)が1/10から公募が開始しています(締切3/26)。 最近の経済の波に立ち向かうため、多く ...
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参考【2025年公募予定】新事業進出補助金
※2024年12月25日現在 公募開始時期は調整中 『新事業進出補助金』は、事業再構築補助金の後継制度として新たに創設された補助金で、総予算は1,500億円が計上されています。 この補助金は、中小企業 ...
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参考【第17回公募に対応】「小規模事業者持続化補助金」について
2025/3/10 追記:最新の情報にリニューアルしています。 近年、接骨院や整体院、美容・エステサロン、フィットネスなどのヘルスケア事業を取り巻く環境は大きく変化しています。特に、事業者間の競争が激 ...
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参考「IT導入補助金2025」の概要と活用
2025/3/25追記:最新の情報にリニューアルしています。 IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)とは、治療院や美容・エステサロン、飲食店などの個人事業主から、大規模の企業まで、IT ...
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目次
中小企業省力化投資補助金とは?
「中小企業省力化投資補助金」は、中小企業等の生産性向上と売上拡大を後押しすることを目的としています。
人手不足に悩む中小企業がIoTやロボットなどの製品を導入することにより、労働力不足を解消し、省力化投資を推進するための事業費の一部を補助します。
この補助によって中小企業の付加価値や生産性の向上を図ると共に、賃金の上昇にも寄与することが期待されています。
「省力化」とは、人が行う作業を見直し、ロボットやシステムの導入により、作業時間を短縮したり、従業員の負担を減らしつつ、生産性を向上させようという取り組みのことです。
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省力化補助金は「カタログ注文型」と「一般型」の2類型があり、以下の違いがあります。
カタログ注文型 | 一般型 | |
投資内容 | 簡易で即効性がある省力化投資 | オーダーメイド性のある多様な省力化投資 |
補助対象 | カタログに掲載された省力化効果のある汎用製品 | 個別現場の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 |
補助上限 | 最大1,500万円 | 最大1億円 |
補助対象と申請要件
補助対象となる中小企業等
資本金・従業員数
補助金を申請できるのは、日本国内で法人登記を行っている中小企業等(組合関連以外)であり、資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下の会社又は個人。
業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
上記に該当しない組合や財団法人(公益・一般)及び社団法人(公益・一般)、医療法人及び法人格の無い任意団体、みなし同一法人・みなし大企業に該当する場合は補助対象となりません。
申請可能な中小企業等(組合関連以外)
申請可能な組合等に該当する法人は下記となります。
- 企業組合
- 協業組合
- 事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
- 商工組合、商工組合連合会
- 商店街振興組合、商店街振興組合連合会
- 水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
- 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
- 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
- 内航海運組合、内航海運組合連合会
- 技術研究組合
- 特定非営利活動法人(NPO法人):従業員数が300人以下であり、法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条第1項に規定される34事業)を行う特定非営利活動法人
※認定特定非営利活動法人ではなく、交付申請時点で補助金の事業に係る経営力向上計画の認定を受けていること - 社会福祉法人:従業員数が300人以下であり、収益事業の範囲内で補助事業を行うもの
補助対象とならない事業
以下のような事業は補助対象とはなりません。
- 省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に供するもの 例)業種:飲食業、業務プロセス:調理として登録されている省力化製品を、家事のために使用するもの
- 不動産賃貸(寮を含む)、駐車場経営、暗号資産のマイニング等、実質的な労働を伴わない事業又は主に資産運用的性格の強い事業
- 取り組む事業が1次産業(農業・林業・漁業)である事業
- 主として従業員の解雇を通じて労働生産性を向上させる事業
- 既に所有する製品の置き換えであり省力化効果が得られない事業
- 日本国外で実施する事業
- 公序良俗に反する事業
- 法令に違反する及び違反する恐れがある事業並びに消費者保護の観点から不適切であると認められる事業
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条各項に規定する営業を営む事業(旅館業法第3条第1項に規定する許可を受け旅館業を営む事業(風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する 法律第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営むものを除く)を除く)
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成 3年法律第77号)第2条に規定する暴力団又は暴力団員と関係がある中小企業等による事業
- 申請時に虚偽の内容を含む事業
- その他制度趣旨・本公募要領にそぐわない事業
- (一般型のみ)事業の主たる課題の解決そのものを他者へ外注又は委託する事業
- (一般型のみ)購入した設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業
- (一般型のみ)国の他の助成制度との重複
※国が助成する制度との重複を含む事業を申請する事業者のうち、補助対象経費が重複している事業、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複がある事業 - (一般型のみ)提出された事業計画書に記載の事業内容や事業実施スケジュール等を踏まえて、事務局が事業の遂行が困難であると判断した事業(極端に開発期間の短いシステム構築等)
- (一般型のみ)その他申請要件を満たさない事業
1.カタログ注文型
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中小企業などが省力化製品を対象製品のリスト(カタログ)から選んで導入し、販売事業者と共同で「労働生産性 年平均成長率3%向上」を目指す事業計画に取り組むものが対象です。
尚、その他の補助金制度である”IT導入補助金”と内容が似ていますが、主な目的の違いは以下となります。
【再掲】省力化補助金(カタログ注文型)とIT導入補助金の違い
- IT導入補助金:ITツールの導入が目的
- 省力化投資補助事業(カタログ注文型):ロボットやIoTの導入
補助率と補助上限額
補助対象 | 従業員数 | 補助率 | 補助上限額 | 賃上げを達成した場合の引上げ上限額 |
補助対象として カタログに登録された 製品等 | 5名以下 | 1/2以下 | 200万 | 300万 |
6~20名 | 500万 | 750万 | ||
21名以上 | 1,000万 | 1,500万 |
※省力化製品の購入価格が製品毎に設定された補助上限額の2倍を上回る場合、補助率は1/2未満となります
基本要件
製品カタログに登録された省力化製品の導入を計画している
カタログに登録された価格以内の製品本体価格・導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと。
販売事業者と共同で補助金の申請を行う
中小企業等は、カタログから選んだ販売事業者に本事業の交付申請を行いたい旨を連絡します。
打診を受けた販売事業者は、当該中小企業等及びその事業計画が要件に合致していることを確認するとともに、両者が共同で交付申請を行うことに同意し、事業計画の策定を終えた後、共同申請を行います。
同一の販売事業者が共同申請を行った補助事業者について、その多くで事業計画における労働生産性の向上目標が著しく未達の場合、販売事業者の登録取消を行う場合がある。
また、事業の実態と乖離した労働生産性の向上目標を設定する等、特に悪質と認められるケースについては、販売事業者名を公表する場合がある。
新規事業は対象外
本補助金は省力化を目的とすることから、新規事業は対象とはなりません。
労働生産性向上の要件
補助事業終了後 3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる見込みの事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む【労働生産性向上目標】
⇒未達の場合は、補助額の減額・返還
- 労働生産性=(付加価値額)÷(従業員数)
- 付加価値額=(営業利益)+(人件費)+(減価償却費)
- 労働生産性の年率平均成長率= [{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(効果報告回数※)-1 -1]×100%
※当該報告を含める。つまり、過去に効果報告を行った回数に1を加えた値となります。
※ 「^」 はべき乗を表す
例:3回目の効果報告を行う場合 [{(110)÷(100)}^(3)-1-1]×100%≒3.2%
人手不足の状態にあることの確認
以下のいずれかから当てはまるものを一つ以上選択し、省力化を進める必要があることを事業計画の中で説明します。
ただし、4.のみを選択している場合は例外的な扱いとなり、具体的な省力化投資の必要性の説明を含め、より詳細な事業計画の策定が必要となります。
- 限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。
- 整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。
※ただし、非正規雇用が主体の事業者については総労働時間を従業員数で代替することとする。 - 採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった。
- その他、省力化を推し進める必要に迫られている。
人手不足の状態の説明で4.のみを選択した場合、以下の事項を説明する必要があります。
なお、この方式による申請については事業計画の重複確認等を行うため、審査に時間を要すること、自社の経営状況を踏まえておらず、他の申請と類似する事業計画は不採択になる点に注意しましょう。
- 省力化量計算書 現在の受注状況が継続すると仮定したときに、既存の業務と製品導入後の業務それぞれでどの程度の工数が発生しているかを計算し、製品導入による省力化の割合(省力化指標)を自身の導入環境において試算すること。
- 機器配置予定図 現在の事業所の物理的な状況を説明し、導入後にどのように変化するかを従業員の動きを含めて説明すること。
保険への加入(補助額が500万円以上の場合は必須)
補助額が500万円以上(購入額1000万円以上)となる場合、事業計画期間終了までの間、火災等による取得財産の損失(及びそれによって補助事業を完遂し得ない事による交付取消)に備えて、付保割合が補助率(1/2)以上である保険又は共済(補助金の交付対象である施設、設備等を対象として、自然災害(風水害を含む。)による損害を補償するもの)への加入を必須となります。
※本保険料は、補助対象外であることに留意する
※補助事業実績報告書提出時に、保険・共済への加入を示す書類の提出が必要
補助上限額の引き上げ要件
賃上げの目標
補助上限額を(1)の表中括弧内の額に引き上げを希望する事業者は以下の要件を満たすことが必要です。
⇒未達の場合は、補助額の減額
- 申請時と比較して、 (a)事業場内最低賃金を45円以上増加させること、(b)給与支給総額を6%以上増加させることの双方を補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定
- 賃金引き上げ計画を従業員に表明
- 給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び常勤役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く。ただし、役員報酬を意図的に操作していると疑われる場合は、役員報酬を適用外とする場合がある)をいう。
- 事業場内最低賃金とは、補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金をいう。
補助上限額・補助率
「中小企業省力化投資補助金」における補助額は、事業者の従業員数に応じて異なります。
具体的には、従業員が5人以下の場合は200万円(賃上げを実施した場合は最大300万円)、6人から20人以下の場合は500万円(同750万円)、21人以上の場合は1000万円(同1500万円)までの補助が可能です。
補助率は、補助対象経費の1/2以下とされています。
補助対象経費 | 補助上限額 (大幅な賃上げをおこなう場合) | 補助率 | |
補助対象としてカタログに登録された製品等 | 従業員数 5人以下 | 200万円(300万円) | 1/2以下 |
従業員数 6~20人以下 | 500万円(750万円) | ||
従業員数 21人以上 | 1,000万円(1,500万円) |
補助対象となる経費
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)では、以下のような費用が補助の対象となります。
- 製品本体価格
導入する省力化製品の機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)及びそれに付随する専用ソフトウェア・情報システム等の購入に要する経費など。 - 導入関連費用
省力化製品の設置作業や運搬費、動作確認の費用、マスタ設定等の導入設定費用など。
補助金等の重複や返還について
補助金等の重複
以下に該当する事業や事業者は補助対象外となります。
- 過去に本事業の交付決定を受けた事業者
- 過去に中小機構の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の交付決定を受け、それから10ヶ月を経過していない事業者
- 過去3年間に、2回以上、中小機構の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の交付決定を受けた事業者
- 中小機構の「事業再構築促進補助金」に採択された事業者であって、その補助対象である事業に用いるための機器を本事業で導入する事業者
- 観光庁の「観光地・観光産業における人材不足対策事業」により設備投資に対する補助金の交付決定を受けた事業者、あるいはその申請を行っている事業者
- その他の国庫及び公的制度からの二重受給
・間接直接を問わず、(過去又は現在の)国(独立行政法人等を含む)が目的を指定して支出する他の制度
(例:補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と補助対象経費が重複しているもの。
・補助対象経費は重複していないが、テーマや事業内容が中小機構の「IT導入補助金」と同一又は類似内容の事業(同じ業務プロセスに省力化製品を導入するもの)。
・なお、これまでに交付を受けた若しくは現在申請している(公募申請、交付申請等すべて含む。)補助金及び委託費の実績については、必ず申請し、これらとの重複を含んでいないかを事前によく確認すること。 - 本事業の製造事業者、販売事業者に該当する場合
補助金の返還等について
効果報告の結果を踏まえて、以下のいずれかに該当すると認められた場合は、補助金の返還または収益納付が発生する場合があることに留意すること。
- 省力化を通じて人員整理・解雇を行っていた場合
- 労働生産性の向上に係る目標が未達の場合
- 賃上げによる補助上限額の引き上げを適用後、賃金を引き下げていた場合
- 本事業の成果により収益が得られたと認められる場合(収益納付)
申請から事業完了までの流れ
「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」の申請から事業完了までの流れは以下となります。
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省力化投資補助金(カタログ注文型)申請における流れ
- 事前準備
公募要領を確認し、カタログから対象となる省力化設備やシステム、販売事業者を選定。 販売事業者と協議し、補助金の使用計画を具体化。 - 申請書類の準備
- 交付申請
オンライン申請システムによる申請のためにGビズIDプライムの取得が必要。 - 審査と採択
提出された書類と計画が詳細に審査される。 審査を通過した事業者には採択通知が届けられ、補助金の交付が決定される。 - 実施と報告
計画に従って省力化設備の購入と導入を進める。 実施後は、補助事業の成果に関する報告を提出。 - 補助金の受領
- 効果報告
補助事業終了後、事業者は定期的に効果報告を提出し、事業の持続的な影響を評価します。 この報告は補助事業終了後3年間、年1回行われます。
審査
「省力化投資補助金(カタログ注文型)」の採択審査は、基本的な申請要件を満たしているかどうかに加え、下記の要素も踏まえて総合的に判断して行われます。
- 事業計画に記載の省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が期待できるかどうか。また、既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるか。
- 大幅な賃上げによる補助上限額引き上げの適用を含め、賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるかどうか。
スケジュール
「省力化投資補助金(カタログ注文型)」の公募スケジュールは、2024年6月25日~当面の間、締め切りはなく通年で随時申請を受付ける形式となりました。
採択・交付決定は申請から概ね1~2ヶ月程度を見込んでいます。
2.一般型
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中小企業などが省力化効果のあるオーダーメイド・セミオーダーメイド性のある設備やシステムなどを導入し、「労働生産性 年平均成長率4%向上」を目指す事業計画に取り組むものが対象です。
尚、その他の補助金制度である”ものづくり補助金”と内容が似ていますが、主な目的の違いは以下となります。
ポイント
- 省力化補助金(一般型):既存事業の省力化、生産性向上を目的とした設備投資
- ものづくり補助金:革新的なサービス開発や試作品の開発、生産プロセスの改善
補助率と補助上限額
補助対象 | 従業員数 | 補助率 | 補助上限額 | 賃上げを達成した場合の引上げ上限額 |
省力化効果のあるオーダーメイド・セミオーダーメイド性のある設備やシステム等 | 5名以下 | ● 中小企業1/2 ● 小規模・再生事業者2/3 ※1,500万円を超える部分は1/3 | 750万 | 1,000万 |
6~20名 | 1,500万 | 2,000万 | ||
21~50名 | 3,000万 | 4,000万 | ||
51~100名 | 5,000万 | 6,500万 | ||
101名以上 | 8,000万 | 1億 |
基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することとします。
労働生産性向上の要件
事業計画期間において毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)4.0%以上向上させる見込みの事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む必要があります。
- 労働生産性=(付加価値額)÷(従業員数)
- 付加価値額=(営業利益)+(人件費)+(減価償却費)
- 労働生産性の年率平均成長率= [{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(効果報告回数※)-1 -1]×100%
※応募申請時の労働生産性については、応募申請時で確定している直近の決算書に基づいて算出
※「労働者数」とは、「補助対象者」に記載する従業員数に役員(個人事業主の場合は事業主及び専従者)の人数を加えたもの
注意ポイント
未達の場合は、達成率に応じて補助金の返還(達成率の高い目標値の未達成率を乗じた額)を求められます。
ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合などや、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金返還を求められません。
最低賃金の引き上げ
事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準とすることが必要です。
※ 最低賃金引き上げ特例適用事業者の場合、本要件は適用しません。
- 事業場内最低賃金とは、補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金をいう。
注意ポイント
要件が達成できない場合は、「補助金額/計画年数」で補助金の返還を求められます。
ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合などや、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金返還を求められません。
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表 【従業員数21名以上の場合】
交付申請時までに、「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表することが必要
省力化指数を計算した事業計画を策定
補助事業者の業務領域・導入環境において、当該事業計画により業務量が削減される割合を示す省力化効果が見込まれる事業計画を策定すること。
※ 中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)の製品カタログに登録されているカテゴリに該当する製品について、本事業で導入する場合は審査の際に考慮されます。
省力化指数
- 省力化指数= [(設備導入により削減される業務に要していた時間)-(設備導入後に発生する業務に要する時間)] ÷(設備導入により削減される業務に要していた時間)
本指数に用いる「設備導入により削減される業務に要していた時間」には既存業務の削減業務の時間を組み込むことが基本です。
加えて、新規出店を行う場合では、新たな業務プロセスで潜在的・将来的に存在する人手の削減時間も組み込むことが可能です。
投資回収期間を根拠資料として提出
事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出する必要があります。
投資回収期間
- 投資回収期間=「投資額/(削減工数×人件費単価+増加した付加価値額)」
付加価値額の増加
3~5年の事業計画期間内に、補助事業において、設備投資前と比較して付加価値額が増加する事業計画を策定する必要があります。
オーダーメイド製品等の導入
人手不足の解消に向けて、オーダーメイド設備などの導入を行う事業計画を策定する必要があります。
補助上限額・補助率の引き上げ要件
1人当たり給与支給総額又は給与支給総額の増加【大幅賃上げ特例】
補助上限額を引き上げを希望する事業者は、事業計画期間において以下のどちらかの要件を満たす事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組むことが必要です。
⇒未達の場合は、補助額の減額
- ”1人当たり給与支給総額の年平均成長率”が、”事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率(基準率)”以上
- ”1人当たり給与支給総額の年平均成長率”が、”給与支給総額の年平均成長率”を+2.0%以上増加
- 給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び常勤役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く。
ただし、役員報酬を意図的に操作していると疑われる場合は、役員報酬を適用外とする場合がある)をいう。 - ”1人当たり給与支給総額”又は”給与支給総額の年平均成長率”= [{(効果報告時の1人当たり給与支給総額又は給与支給総額)÷ (応募申請時の1人当たり給与支給総額又は給与支給総額)}^(効果報告回数)-1 -1]×100(%)
※応募申請時の1人当たり給与支給総額又は給与支給総額については、応募申請時で確定している直近の決算書に基づいて算出
最低賃金の引き上げ【最低賃金引き上げ特例】
補助率の引き上げを希望する事業者は以下の要件を満たすことが必要となります。
- 2023年10月から2024年9月までの間で、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あること
※小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合は、引き上げ不可
※補助金額1,500万円までが引き上げ対象
引き上げ後の補助金額 1,500万円まで | 引き上げ後の補助金額 1,500万円を超える部分 | |
---|---|---|
中小企業 | 2/3 | 1/3 |
補助対象となる経費
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)では、以下のような費用が補助の対象となります。
補助対象経費(税抜き)は、事業に要する経費(税込み)の3分の2以上であることが必要となります。
機械装置・システム構築費 ※単価50万円以上(税抜き)の設備投資が必須 | ①専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費 ②専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費 ③①又は②と一体で行う、改良・修繕又は据付けに要する経費 |
技術導入費 ※上限額は補助対象経費(税抜き)の1/3 | 本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費 |
専門家経費 ※上限額は補助対象経費(税抜き)の1/2 | 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費 |
クラウドサービス利用費 | クラウドサービスの利用に関する経費 |
外注費 ※上限額は補助対象経費(税抜き)の1/2 | 専用設備の設計等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 |
知的財産権等関連経費 ※上限額は補助対象経費総額(税抜き)の1/3 | 生産・業務プロセスの改善等に当たって必要となる特許権の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用、知的財産権等取得等に関連する経費 |
申請から事業完了までの流れ
「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の申請から事業完了までの流れは以下となります。
の申請から事業完了までの流れ(中小企業庁).jpg)
事業計画書の審査(書面審査、口頭審査)
補助金の審査は、事業計画を基に行われます。そのため、採択されるためには、【審査項目】を確認し合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要です。
また、【加点項目】や【減点項目】も確認することで、審査におけるハードルを下げておくことも重要です。
※17次公募から、補助申請額が一定規模以上の申請を行う事業者に対して、口頭審査が行われます。
書面審査
審査項目
具体的な審査項目は、事務局ホームページ内の公募要領に掲載されています。
補助対象事業としての適格性、技術面、計画面、政策面、大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性(大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例のみ)などが審査項目となっています。
審査項目 | 内容 |
---|---|
➀ 補助事業の適格性 | ⚫ 公募要領に記載の対象事業、対象者、申請要件、補助率等を満たすか。 |
➁ 技術面 | ⚫ 省力化指数や投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備の4つの観点について評価 |
➂計画面 | ⚫ スケジュール等が具体的か、企業の収益性、生産性、賃金が向上するかを以下の観点から評価 |
➃ 政策面 | ⚫ 地域経済への貢献や、我が国の経済発展のために国の経済政策として支援すべき取組であるかを評価 |
➄ 大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性 | ⚫ 取組内容の具体性、記載内容の算出根拠、計画性、企業の成長見込み、人材育成・人事評価の取組み、人事配置等の体制面や販売計画等の営業面の強化への取組み |
加点項目
将来起こる中長期的な経済・社会構造の変化に対応していくためには、環境に柔軟に適応し、自己変革を続けていく必要があります。以下の取り組みを行う事業者に対しては加点を行います。
最大6項目について加点の申請を行うことが可能です。
加点項目 | 内容 | |
---|---|---|
➀ | 事業承継又はM&Aを実施した事業者(申請者)に対する加点 | ⚫ 過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)を引き継いだ事業者 |
➁ | 災害等加点 | ⚫ 有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者 |
➂ | 成長加速マッチングサービスに登録している事業者に対する加点 | ⚫ 「成長加速マッチングサービス」で会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者 |
➃ | 賃上げ加点 | ⚫ 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額の年平均成長率4.0%以上増加する計画を有すること及び、事業場内最低賃金を毎年3月に事業実施都道府県における最低賃金より+40円以上の水準を満たすことを目標とし、事務局に誓約している事業者 |
➄ | えるぼし加点 | ⚫ 「えるぼし認定」を取得している事業者。 |
➅ | くるみん加点 | ⚫ 「くるみん認定」を取得している事業者。 |
口頭審査
口頭審査は、一定の基準を満たした事業者を対象に、オンラインにて実施(Zoom等で⑮分程度)します。
審査内容
- 本事業に申請された事業計画について、、事業内容の適格性、革新性、優位性、実現可能性等の観点について審査いたします。
- 審査は申請事業者自身(法人代表者等)1名が対応してください。当該事業者において勤務実態がない者、事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問等の申請事業者以外の方の対応や同席は一切認めません。
スケジュール
- 第1回締切:2025年3月31日(月)17:00
最後に
中小企業省力化投資補助金は、中小企業が直面する人手不足問題を技術的なアプローチで解決し、生産性の向上を図るための大きなチャンスです。
この補助金を活用して、貴社の事業拡大と効率化を実現しましょう。
この記事が、中小企業省力化投資補助金に興味を持つ企業や事業者にとって有益な情報となり、新たな事業展開の一助となれば幸いです。
ご質問やさらに詳しい情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。
弊社では、ヘルスケア事業者向けの経営支援をおこなっており、無料補助金チェックサービス、「補助金・助成金」および「中小企業施策(経営力向上計画・先端設備等導入計画・経営革新計画・事業継続力強化計画等)」、「融資・資金調達サポート」などの申請サポートをおこなっております。
また、ヘルスケア業界向けにホームページ・ECサイト作成、SEO対策、MEO対策、リスティング広告運用代行などのデジタルマーケティング支援をおこなっております。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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