2024/8/26 追記:最新の情報に更新しています。
神奈川県が打ち出した中小・小規模事業者向けの二大支援策、「生産性向上促進事業費補助金」と「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」は、地域経済の活性化と事業者の競争力強化を目指しています。
これらの補助金は、生産性の向上とデジタル化の推進に重点を置いており、神奈川県内で事業を展開する企業の経営の現代化を促し、未来への投資を後押しするものです。
この記事では、これらの補助金の目的、対象となる事業者、対象となる経費、申請方法、そして事業者がこれらの支援でどのようなメリットがあるかについて詳細に解説します。
申請期間
- 生産性向上促進事業費補助金
2次公募 9月締切:令和6年9月2日(月)9:00~9月30日(月)17:00 - 小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金:令和6年6月3日~11月29日(予算がなくなり次第終了)
目次
中小企業生産性向上促進事業費補助金
「生産性向上促進事業費補助金」は、中小企業が直面する物価高騰や人手不足といった課題に対処し、生産性の向上(業務の効率化)を図るために設けられました。
この補助金は、新たな設備の導入やITサービスの活用を通じて、生産性の向上(業務の効率化)を図る事業を支援します。 補助金額は最大500万円(消費税及び地方消費税を除く)で、中小企業者が対象です。
事業区分 | 補助事業の内容 | 取組事例 | 補助率 | 補助上限額 |
生産性向上促進事業 | 生産性向上や業務プロセスの改善、 人手不足の解消に資する設備の導入等 |
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500万円 (下限額 25万円*) ※補助対象経費が中小企業 50万円以上、小規模事業者 37.5万円以上 |
対象事業者
補助金の対象となる事業者は次の通りです。
- 神奈川県内で事業を営む中小企業者*
- 補助対象者の範囲*で対象となりうる者に該当している
- 令和5年4月1日時点までに開業届を税務署等に提出し、かつ事業実態(売上、仕入等が発生していること)がある
- 過去にビジネスモデル転換事業費補助金の交付を受けた事業者も申請可能
※中小企業・小規模事業者の定義
中小企業者の定義
業種 (日本標準産業分類) | 中小企業者 (下記のいずれかを満たすこと) | |
資本金の額又 は出資の総額 | 常時使用する 従業員の数* | |
① 製造業・建設業・運輸業 その他の業種(②~⑦を除く) | 3億円以下 | 300 人以下 |
② 卸売業 | 1億円以下 | 100 人以下 |
③ サービス業(⑥、⑦を除く) | 5,000 万円以下 | 100 人以下 |
④ 小売業・飲食店 | 5,000 万円以下 | 50 人以下 |
⑤ ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900 人以下 |
⑥ ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300 人以下 |
⑦ 旅館業 | 5,000 万円以下 | 200 人以下 |
小規模事業者の定義
業種 (日本標準産業分類) | 常時使用する 従業員の数* |
製造業その他 | 20 人以下 |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20 人以下 |
「常時使用する従業員数」に含めないもの
- 会社役員(ただし、従業員との兼務役員は「常時使用する従業員」に含めます)
- 個人事業主本人及び同居の親族従業員(別居の親族従業員は「常時使用する従業員の数」に含めます)
- (申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中又は休職中の社員(法令や社内就業規則等に 基づいて休業・休職措置が適用されている者)
- パートタイム労働者等(通常の従業員の所定労働時間に比べて 短い者 )
※補助対象者の範囲
事業形態が対象となるかは以下の表を参考にしてください。
補助対象となりうる者 | 補助対象にならない者 |
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補助要件
補助対象の事業者は、以下の補助要件も満たす必要があります。
- 付加価値額を年率平均1.5%(3年で4.5%)以上増加させる計画であること
- 給与支給総額を増加させること
- 事業を神奈川県内の事業所で実施すること
- 補助事業に必要な発注は原則神奈川県内事業者に行うこと
対象経費
補助対象経費は、①機械装置等費、②ITサービス導入費、③施設工事費となります。
対象経費の区分 | 内容 | 補助上限額 | |
➀ 機械装置等費 | 補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費 | - | 500 万円 |
➁ ITサービス導入費 | 補助事業の遂行に必要なITサービスやシステムの導入・開発に要する経費 | 50 万円 | |
➂ 施設工事費 | 機械装置等を設置するために必要な最低限の改修工事に要する経費 ※この費用のみの申請はできません | 100 万円 |
補助対象経費の例
補助対象経費になるかの例は以下で示しますが、一部そのほか補助対象にならない経費もあります。
対象経費の区分 | 補助対象となる経費例 | 補助対象とならない経費例 |
➀ 機械装置等費 |
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➁ ITサービス導入費 |
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➂ 施設工事費 |
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小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金
「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」は、人手不足が課題となる小規模事業者を対象に、デジタル技術の導入による業務プロセスを改善し、サービスの質を高めるために設けられました。
この補助金は、セルフオーダーシステムの導入や顧客管理システムの導入、ホームページの作成・更新など、デジタル化に関連する経費に対して、最大50万円(補助率2/3以内)の補助を行います。
事業区分 | 補助事業の内容 | 取組事例 | 補助率 | 補助上限額 |
小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金 | 人手不足の解消や業務効率化に資するシステム導入等 |
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2/3以内 | 50万円 |
対象事業者
補助金の対象となる事業者は次の通りです。
- 神奈川県内に事業所を有し、小規模事業者*の定義に合致する事業者
- 補助の対象となる事業を県内の事業所で実施
補助対象者の範囲
事業形態が対象となるかは以下の表を参考にしてください。
補助対象となりうる者 | 補助対象にならない者 |
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補助要件
補助対象の事業者は、以下の補助要件も満たす必要があります。
- 企業経営の未病CHECKシート(以下「CHECKシート」という。)を実施し、「店員」や「従業員」にリスク(=人手不足)があることを確認していること(「店員」や「従業員」の項目が0点でないこと)
- 令和5年4月1日までに創業していること
- (公財)神奈川産業振興センターが主催する事前相談会における事前相談又は、(公財)神奈川産業振興センター、商工会等における個別相談を受けていること
- 営業利益率が向上する事業であること
- 事業を神奈川県内の事業所で実施すること
- 補助事業実施期間内に、「納品、利用等」及び「支払い」が完了する事業であること
- 県税の未納がないこと
補助対象となる事業(取組み)
補助対象となる事業は、複数のプロセスを同時に申請することもできますが、補助上限額は各プロセス合計で50万円になります。
区分 | プロセス | 内容 | 取組事例 |
デジタル化事業 | ①業種特有業務効率化事業 | 業種ごとの業務の効率化に適したITサービスの導入等を行う。 |
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②経理業務効率化事業 | 経理、会計業務の効率化に適したITサービスの導入等を行う。 |
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③営業業務効率化事業 | 営業業務の効率化に適したITサービスの導入等を行う。 |
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④労務管理効率化事業 | 人事、労務管理業務の効率化に適したITサービスの導入等を行う。 |
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⑤その他業務効率化事業 | 上記以外の業務に係るITサービスの導入等を行う。 |
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対象経費
補助対象経費は、①ITサービス導入費、②機械装置等費、③HP作成改修費となります。
対象経費の区分 | 内容 | 対象外となるもの | 補助率 | 補助上限額 |
➀ ITサービス導入費 | 補助事業のために使用される専用ソフトウェア、クラウドサービス、ECサイト等の導入、開発に要する経費(導入費、月額利用料等)が補助対象となります。 |
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2/3 以内 | 50 万円 |
➁ 機械装置等費 | ①で導入するソフトウェア・クラウドサービスを使用するために必要な機械装置等の購入に要する経費が補助対象となります。ただし、パソコン、タブレット及びその周辺機器(マウス、キーボード、ディスプレイ)の補助上限は合計で10万円です。 |
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➂ HP作成改修費 | 補助事業のために使用されるホームページの作成、更新に要する経費(作成、更新費、サーバ利用料等)が補助対象となります。 ただし、補助上限は10万円です。 |
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どのようなメリットがあるか
これらの補助金を活用することで、中小・小規模事業者は以下のようなメリットを得ることができます。
- コスト削減:新技術の導入による効率化で、長期的には運営コストの削減が期待できます。
- 競争力の向上:生産性の向上やサービスの質の改善を通じて、市場での競争力を強化できます。
- デジタル化の推進:デジタル技術を活用して業務の自動化や顧客サービスの向上を図ることが可能です。
- 持続可能な成長:デジタル化による業務改善は、事業の持続可能な成長に寄与します。
申請方法と事前準備
これらの補助金を申請するには、神奈川県の指定する手続きに従い、申請期間内に必要書類を提出する必要があります。申請は原則電子申請となりますが、電子申請システムを使用できない事業者のみ郵送可能となっています。 尚、デジタル化支援補助金では、事前相談を通じて申請者が直面する課題解決に適したデジタル化対象業務を明確化する必要があります。
生産性向上促進事業費補助金
申請方法
- 事前相談:申請前に、指定された機関で事前相談を行うことが推奨されます(任意)。
- 書類準備:公募要領に従って必要書類を準備します。
- 電子申請:神奈川県の電子申請システムを利用して申請します。
申請期間
- 1次公募:
令和6年4月1日から5月31日まで。 - 2次公募
7月締切:令和6年7月10日(水)9:00~7月31日(水)17:00
8月締切:令和6年8月1日(木)9:00~8月30日(金)17:00
9月締切:令和6年9月2日(月)9:00~9月30日(月)17:00
小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金
申請方法
- 事前相談:デジタル化対象業務の明確化のため、事前相談を受けます(必須)。
- 書類準備:補助金申請に必要な書類を準備し、計画の詳細を明確にします。
- 電子申請:指定された期間内に電子申請を完了させます。
申請期間
- 令和6年6月3日から11月29日まで
ただし、予算の限りがあるため、早めの申請が推奨されます。
最後に
神奈川県が提供するこれらの補助金は、中小・小規模事業者にとって大きなチャンスです。
生産性の向上とデジタル化は、企業が直面する課題を克服し、競争力を高めるために不可欠な要素です。
適切な準備と計画をもってこれらの補助金に申請し、事業の発展につなげましょう。
事業の革新と成長を目指す神奈川県内の中小・小規模事業者の皆様はこれらの支援策を最大限活用できるようにしましょう。
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