SEO対策という言葉を聞いたことはあるものの、「どんなこと?」「メリットやデメリットは?」「具体的に何をすればいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そのため、本記事ではSEO対策に焦点をあて、基礎知識から具体的なSEO対策方法まで解説します。これからSEO対策を始めたいという初心者の方はもちろん、すでに取り組んでいてより成果を出したいと考えている方にもおすすめの内容になっています。
今回は【基礎編】として、SEO対策の概要やメリット・デメリットなどを説明していきます。
目次
SEO対策とは?
SEO対策とは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取った略称で、検索エンジン最適化とも言われます。具体的には、検索エンジン上における自然検索(オーガニック検索)の結果で、特定のwebサイト(ホームページ)が上位に表示されるよう、webサイトの構成や記述などを調整することです。
そのためには、検索エンジンの評価基準を理解し、検索ユーザーにとって有益で正しい情報を分かりやすく届けていく必要があります。
自然検索結果(SEO枠)が掲載される場所
図1は、キーワード(検索語句)「千代田区 歯科医院」で検索した際の、スマホ表示画面です。
上部:検索連動型広告(リスティング/PPC広告枠)
このキーワード(検索語句)に関連する広告出稿があれば、最上部に赤枠部分に表示されます。基本は赤枠部分に最大4件、最下部に最大3件(図では簡略化のため割愛しています)のリスティング広告が表示されます。
広告には、左上部に「広告」「スポンサー」「プロモーション」などの広告ラベルが表示されています。
中間部:検索語(キーワード)により異なる表示形式(主にMEO枠)
キーワード(検索語句)により表示が変わりますが、ローカルパック(Googleビジネスプロフィール)、強調スニペット(意味の表示)、PAA(People Also Ask)スニペットによる「他の人はこちらも質問」の表示、画像のショッピング広告など何種類かのフォーマットが表示されます。
キーワード(検索語句)「地域×業種」で検索したことから、Google側でユーザーがすぐに行きたい場所を探していると判断したためローカルパック(Googleビジネスプロフィール)が表示されています。
下部:自然検索結果(SEO枠)
キーワード(検索語句)における自然検索結果(オーガニック検索)が表示されます。
主な施策との比較(リスティング広告、SEO対策、MEO対策)
表1では、その他の主な施策である、とMEO(Map Engine Optimization)対策とリスティング広告(PPC・検索連動型)を簡単に比較しています。
MEO対策とは、Googleマップ上の検索において上位表示されるため(最適化)の対策で、リスティング広告はキーワード(検索語句)を元に、検索結果画面に掲載されるテキスト形式の広告のことです。
上述しましたが、SEO対策とは、検索エンジン上の自然検索において上位表示されるため(最適化)の対策です。
Googleの評価基準を満たし、検索エンジン上に反映されるまでには時間や手間(機会損失)はかかりますが、費用はかからず、自然検索結果で上位表示されるようになれば、中長期的に安定したユーザーの獲得を期待できます。
また、SEO対策をおこなうことによって、検索ユーザーは、目的の情報がより目立つ場所、例えば「自然検索結果の上位」「強調スニペット(意味の表示)」、PAA(他の人はこちらも質問の表示)など、各検索結果の上位に表示され、情報を得やすくなります。
そのため、多くの企業がマーケティング上の優位性を競ってSEO対策をおこない、検索結果の上位や、目立つ場所に表示されることを目指しています。
即効性(集客開始のスピード) | 費用対効果 | 蓄積効果 | |
リスティング広告(検索連動型) | ◎ | △ | ✕ |
SEO対策 | △ | ○ | ◎ |
MEO対策 | ◎ | ◎ | ○ |
「MEO対策」とは、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を最適化で、Googleマップ上で上位表示を図ることで、リスティング広告(PPC・検索連動型)は、クリックされるごとに課金されるキーワード(検索語句)に関連したテキスト形式の広告です。
詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
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SEO対策を始める前に知っておきたいGoogleの基本的な考え方
SEO対策をする前に知っておきたいことは「Googleの考え方」です。SEO対策は検索エンジンへの施策となるため、Googleの考えを知っておきましょう。
効果的なSEO対策の本質は、小手先のテクニックではなく、真にユーザーにとって有益なコンテンツ作成とWebサイト作りをすることです。
E-A-T(Googleの検索品質評価基ガイドライン)
「E-A-T」とは、Googleが検索品質評価ガイドラインにおいて、検索エンジンでページ品質を評価するための基準の1つで特に重要な、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)からなる3つの評価基準の頭文字をとったものです(図2)。
SEOの検索アルゴリズムが進化していく中で、この「E-A-T」の概念を理解せずにSEO対策を進めても、評価につながるパフォーマンスの最大化が見込めません。そのため、SEO対策をおこなう上で、最大限にページの評価を得るためには、コンテンツの品質向上と、EATの評価レベルの向上とを両軸で進めていく必要があります。
参考
Googleの検索品質評価ガイドラインとは、Googleが検索エンジンの品質を評価するために、外部の品質評価者に向けて用意した指針です。 検索品質評価ガイドラインの内容は、Googleがどのようなwebサイトやページをに何を求めているのかを示しているため、SEO対策を行う上でとても重要な資料です。
それでは、次に具体的に「E-A-T」について説明していきます。
Expertise(専門性)
専門性とは、コンテンツやwebサイトが特定のジャンルやテーマに特化していることを意味します。
また、専門性はコンテンツの制作者が、専門知識を持っていることや、正式な資格を有している、あるいは教育を受けていることによっても担保されます。
例えば、ブログやwebサイトなら雑記ブログより特化ブログ、病気に関する症状・対処法などのコンテンツが豊富であれば医療に関する専門性が高く、制作者(執筆や監修)は一般人よりも医者が専門性が高いという評価になります。
Authoritativeness(権威性)
権威性とは、コンテンツやwebサイトの内容に対して「誰が言っているのか」を意味します。
これは、情報を発信している人や団体がどの程度トピックに対して精通し、優れていると認められているかの指標です。
サイト運営の期間や実績、被リンクの数や分散性、言及数の数など、がありますが、特に重要なのが評判(レピュテーション)です。
この評判は、その業界における専門的な人物・組織・Webサイトからのサイテーション(引用・言及)や被リンク(back link)によって決まります。
健康・医療系のwebサイトでいえば、最初から権威性がある政府・公的機関、大学、病院などの医療機関、学会、有名製薬会社、大手マスコミ、などからサイテーション(引用・言及)や被リンク(back link)がある場合に権威性が高いという評価になります。
Trustworthiness(信頼性)
信頼性とは、ユーザーにとって信用できる情報・サイト・運営者であるかという意味で、求められているのは、信頼性、透明性、正確性などです。
そのため、Webサイト上に公開されたコンテンツに対し、誰が責任を追うのか、正確な情報なのか、を明記していくことで信頼性は担保されます。
例えば、Webサイトを運営している会社名・住所・電話番号・メールアドレスの記載や、制作者(執筆や監修)の資格・実績・肩書き、引用ソースに官公庁など公的機関やその領域の専門家の情報を使用、することによりユーザーからもGoogleからも信頼性が高いという評価になります。
(参考)ヘルスケア関連事業者では、「E-A-T」は特に重要
Googleは、YMYL(Your Money or Your Life)といわれる「将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に影響を与える可能性のあるページ・トピック」に対して評価する基準が他テーマのコンテンツより「E-A-T」を重視するようになっています。
これは、ユーザーが誤った情報を受け取ることで、人命や人生に影響を与える可能性があるため、YMYL分野に関する内容においては「E-A-T」の品質を重視し、特に注意しなければいけないページとなっています。
そして、ヘルスケアに関するコンテンツがYMYLに該当していることから、SEO対策では容易に上位表示が出来ないようになっています。
ヘルスケア関連事業者とは主に以下を指しています。
- 病院、診療所(クリニック・医院) ※歯科含む
- 治療院(整骨院、鍼灸院、マッサージ院)
- 整体院、カイロプラクティック院、リラクゼーションサロン
- 美容サロン、エステサロン
- スポーツトレーナー、フィットネスクラブ
- 介護関連(通所、訪問)、機能訓練型デイサービス、リハビリテーション
- 薬局
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Googleの理念
GoogleがWEBサイトに対して何を求めているのかを理解する手がかりがもう1つあります。それが「Googleが掲げる10の事実」と題して公開しているリストです。
Googleが求めている検索エンジンのあり方は、常に「Googleが掲げる10の事実」にあるため、SEO対策の本質として理解しておくことで、今後の様々なアルゴリズムのアップデートにも柔軟に対応していくことができるようになります。
Googleが掲げる10の真実
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
SEO対策のメリット
SEO対策をおこなう上で、メリットデメリットがありますので、下記で確認していきましょう。
費用対効果が高い(集客力が高い)
SEOはリスティング広告(検索連動型広告・PPC広告)と同じく、店舗や事業所の有無にかかわらずサイトさえあれば対策を講じることができます。それと同時に費用をかけずに実施できることから、大企業だけでなく中小企業や個人事業主も含めた多くの事業者がSEO対策を行っています。
リスティング広告(検索連動型広告・PPC広告)では任意のキーワードに対してページを上位表示させますが、クリックされると費用(クリック単価×クリック数)が発生する仕組みとなっているため、集客できればできるほど広告コストがかかってきます。
一方でSEO対策では、対策の費用や手間はかかるものの、上位表示や、クリックされることに対して一切費用はかかりません。そして、上位であればあるほど、より多くのユーザーの目に付きやすく、クリック率を高めることが可能です。
そのため、基本的にコストをかけずに始めることができる上に、一度上位表示されれば継続的に集客できるため長期的に見ると費用対効果が高い施策です。
参考として、Google自然検索(オーガニック検索)とGoogle広告(リスティング広告とディスプレイ広告)の平均クリック率について、以下で説明していきます。
Google自然検索(オーガニック検索)の平均クリック率
検索して1位に表示されたWebサイトを、ユーザーの28.5%がクリックするというデータがあります(図2)。これは、8,000 万を超えるキーワードと数十億の検索結果を分析したもので、1位~10位は、28.5%、15.7%、11.0%、8.0%、7.2%、5.1%、4.0%、3.2%、2.8%、2.5%、となっています。
このことから、仮に月10,000回検索されているキーワードでの1位表示に成功すれば、月に約3,000ものアクセスを集めることが可能です。これは他のWebマーケティングにはない集客力だといえます。
検索エンジン上で、同じように表示されるリスティング広告と比べると、その集客力の高さが明らかです。
Google広告の平均クリック率
リスティング広告(PPC・検索連動型)は、SEOよりも上位に表示されますが、リスティング広告は平均で3.17%(ディスプレイ広告は0.46%)しかクリックされていません(図3)。尚、「健康と医療」業界は、3.27%(0.59%)となっています(表2)。
これは広告を嫌うユーザーが多くなり、避けられてしまうことにあります。
リスティング広告の平均が約3%に対し、SEOで10位に表示されれば2.5%、1位なら28.5%となります。
自社のWebサイトのアクセスから購入に繋げるためには、SEOは極めて魅力的な手段といえます。
業界 | 平均クリック率 (検索) | 平均クリック率 (GDN) |
---|---|---|
アドボカシー | 4.41% | 0.59% |
自動 | 4.00% | 0.60% |
B2B | 2.41% | 0.46% |
消費者サービス | 2.41% | 0.51% |
出会いと出会い | 6.05% | 0.72% |
電子商取引 | 2.69% | 0.51% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
雇用サービス | 2.42% | 0.59% |
金融と保険 | 2.91% | 0.52% |
健康と医療 | 3.27% | 0.59% |
ホームグッズ | 2.44% | 0.49% |
産業サービス | 2.61% | 0.50% |
法的 | 2.93% | 0.59% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
テクノロジー | 2.09% | 0.39% |
旅行とホスピタリティ | 4.68% | 0.47% |
購買意欲の高いアクセスを集めることができる
多くのユーザーは「○○したい」「○○したくない」という目的を果たすために、Googleで検索したり、SNSで検索して情報収集するという行動を取っています。
これは「購買する」アクションの前段階であることが多いため、検索結果でアクセスを集められたユーザーは、”購買意欲の高い見込み客”として期待することができるのです。
消費者行動モデル(AIDMA、AISAS、VISAS)の中で、「AISAS」と呼ばれるモデルで消費者は以下のようなプロセスで購買に至るとされています。アクションを起こす前に検索行動があることから、ユーザーは検索段階で既に興味関心があるため、CTR(Click Through Rate)およびCVR(ConVersion Rate)確度が高いという特徴があります。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
消費者行動モデル(AIDMA、AISAS、VISAS)についてはコチラ
CTRCVRについて
- クリック率(CTR:Click Through Rate):表示された回数(表示回数・インプレッション数)のうち、ユーザーが実際にクリックした回数の割合
- コンバージョン率(CVR :ConVersion Rate):クリックされた回数のうち、コンバージョンに至った割合(ここでは購買に至った割合)
継続的な集客が見込める
一定の検索ボリュームのあるキーワードで上位表示されるようになると、検索エンジンからの検索流入が大幅に増加します。
また、日ごろから地道かつ適切な対策を行って検索上位に上がった場合、一つのキーワードだけではなく、関連する複数のキーワードでも上位表示されるという状況になりやすく、様々なキーワードで評価されるようになります。
そのため、競合他社がより良いコンテンツを作成したり、検索エンジンの評価基準(アルゴリズム)が変わったりしなければ、そのページが一気に下がるなど、大きな検索順位の変動が起きることは、あまり多くありません。
SEO対策はすぐに成果を出しづらいですが、成果が出始めてからはWebからの安定した集客効果が期待できるようになるでしょう。
ブランディング効果がある
GoogleはSEOのアルゴリズム(仕組み)を頻繁に改善し、よりユーザーのニーズに合っているホームページを優先的に上位表示するようになっています。
こうした近年の傾向からもSEO対策を行い上位表示をすることができれば、ユーザーとの接点も増え、適切な内容により「信頼性」や「権威性」を得ることができます。
そして、「検索で上位にいる=良い会社」という認知度が上がり「〇〇といえば、この会社」となることで、ブランディング効果も高まります。
自社の資産となる
自社サイトに価値のある高品質なコンテンツを公開すれば、インターネット上に残り続けることができます。
最新の情報に更新する手間が必要になるものの、作成したコンテンツは蓄積され、永続的に検索エンジンから毎日検索ユーザーを集客してくれます。
そして、質の高いコンテンツ・質の高いページを追加するたびに、ホームページ全体の評価も向上するので相乗効果でさらに大きくなります。
このことから、SEO対策では努力すればするほど、資産価値を着実に増やせます。
潜在層にも顕在層の顧客にもアプローチしやすい
適切にSEOを実施し上位表示させることで、CVR(コンバージョン率)の高い顕在層や、潜在的にニーズのある潜在層からのCTR(クリック率)を高めることが可能です。
そのためには、自社製品・サービスを知らないユーザーである潜在客に対して、コンテンツを最適化し購買意欲を高めることで、潜在客を顕在客へ育成し、最終的には購買してもらうようにアプローチできるようにする必要があります。
特に競争が激しいジャンルや業界の場合は、あえて潜在客を意識してアプローチする戦略も取れます。
潜在層と顕在層について
ターゲットユーザー層は、製品・サービスへの興味関心度の違いで区分すると顕在層と潜在層に分かれます(図4)。
顕在層とは、ブランドや製品・サービスのカテゴリへの興味・関心が高く、具体的に商品やサービスを比較検討している層を指しています。特定の悩みや欲求に対して、「こういう製品・サービスが欲しい」という明確なイメージがあり、ニーズが顕在化している人たちです。見込み層と呼ぶ場合もあります。
潜在層とは、ブランドや製品・サービスのカテゴリにある程度の興味・関心を持っていて、潜在的なニーズがあるものの、まだ具体的な検討段階には入っていない層を指しています。特定の悩みや欲求がある状態ですが、それをどの製品・サービスで解決するのかという明確なイメージがありません。
SEO対策のデメリット
SEO対策はメリットがある一方で、次のデメリットもあります。
効果がでるまで時間がかかる
コンテンツを作成しても、それがGoogleなどの検索エンジンに評価されるまでには時間が必要です。
約200万のキーワードで、10位以内に表示されているWebサイトの年齢を調べたデータによると、10位以内に表示されているWebサイトの年齢は平均2年以上、1位に表示されているWebサイトは約3年という結果でした(図5)。
また、10位以内に表示されているWebサイトのうち、1年以内に作成されたものは約22%となっています。
このデータからわかるように、検索順位で上位を獲得するには時間が必要です。開設してから時間が経っているWebサイトの方が有利で、上位表示までに最低でも半年、2年や3年かかるケースも少なくありません。年単位を覚悟した対策が必要です。
そのため、期間に余裕がないイベントや、サービスをおこなう時など短期的な集客をしたい場合には、SEOは適さないでしょう。あくまで中長期的なWebマーケティングだと認識しておく必要があります。
アルゴリズムの変動を受ける
Googleの検索エンジンでは、何を重視するかが変更され、検索結果を表示する計算方法が変化する、アルゴリズムのアップデートが不定期におこなわれます。
そのため、アルゴリズムがアップデートされると、以前まで上位表示されていたページであっても、順位が下がったり、表示されなくなる、ということもあり得ます。
主なアルゴリズムのアップデートの流れ
Googleによるアルゴリズムのアップデートの目的は、ユーザーにとって利用しやすいように、検索エンジンを改良しようとするためです。
アルゴリズムのアップデートへの対応は、最新のSEO情報に注意しながら良質なコンテンツを作成し、ユーザーにとって有益なコンテンツ制作に務めることが重要です。
このことから、Googleのアルゴリズムやアップデートの主な変遷を理解しておくことは、検索エンジン上で活動する上でとても大事なことですので、以下にまとめました。
主なアルゴリズムのアップデート
- パンダアップデート(2011年2月) サイトの品質が順位に影響するのが特徴であり、ユーザーにとって役に立たない・価値のないwebサイト(ホームページ)など低品質なwebサイトが、検索上位に表示されないように排除するためにおこなわれたアップデートです。 低品質なコンテンツの掲載順位を下げることで相対的に高品質なコンテンツが、検索上位に表示されることを目的としていました。 尚、ここでいう低品質とは、コピーコンテンツや自動作成された無意味なコンテンツ、不適切な広告のあるページなどが該当します。
- フレッシュネスアップデート(2011年11月) 情報の鮮度が評価基準に取り入れられ、ユーザーが求めているな情報を掲載したwebサイトを優先的に表示するアップデートです。最新の情報を必要とするキーワードに対して影響があり、35%の検索結果に影響を与えたとされています。 これによって、ユーザーの利便性が向上し、コンテンツを更新していく重要性がより一層高まりました。過去にのコンテンツもリライトすることで再評価されるチャンスが増えたことになります。
- ペンギンアップデート(2012年4月) 大量の低品質な被リンクにを集め、上位表示しているコンテンツを排除するためのアップデートが実施されました。 これにより、ブラックハットSEOを実装していたwebサイトが淘汰され、低品質な被リンクによる上位表示はされにくくなりました。
- ベニスアップデート(2014年12月) ユーザーの位置情報を検索結果に反映させることで、利便性を向上させるためのアップデートです。検索時に地域に関する検索語(キーワード)を入力しなくても、その地域に最適化した検索結果が表示されるようになりました。
- モバイルフレンドリーアップデート(2015年4月) スマートフォンが普及したことにより、スマートフォンでの利便性(視認性や操作性など)の向上を重要視するアップデートです。このアップデートによってレスポンシブデザインがより普及し、パソコンでもスマートフォンでも画面サイズに最適化したデザインが自動表示される仕組みが世に広まりました。 検索時の順位に影響を及ぼしますが、モバイルフレンドリーにしたら確実に順位が上がるというわけではありません。
- 医療健康アップデート(2017年12月) 医療・健康に関する検索結果改善のために、人体の健康に影響を与える情報に関して、有益性と信頼性を重要視するためにおこなわれたアップデートです。 当時、検索結果に「医学的根拠のない情報が検索上位に表示されていたこと」が問題視されていたため、検索ユーザーにとって信頼性の乏しいコンテンツやコピペ・虚偽内容、アフィリエイトを狙う医療系キュレーションサイト(まとめサイト)などは、一掃され医療・健康関連の業界に大きな衝撃を与えました。 そのため、信頼性が高く有益なコンテンツを掲載しているwebサイトが上位表示されるようになり、低品質のコンテンツでは上位表示を狙えなくなりました。 また、医療・健康以外にも「YMYL(Your Money Your Life)」分野、つまりお金や生活など人の生死に関連性が高いキーワードにおいても、同様に改善を加えていくことをGoogleは明示して、信頼生の向上を図っています。YMYL分野ではE-A-Tが特に重要視されます。
- BERTアップデート(2019年10月) BERT(バート)は、”Bidirectional Encoder Representations from Transformers” の頭文字をとったもので、AIの自然言語処理技術を利用して自然言語処理能力を向上させ、キーワードニュアンスの理解を深めるために実施されたアップデートです。 バートの導入で、これまで難しかった「文脈」の理解ができるようになり、検索意図を汲み取ることが可能となりました。 これにより、検索語(キーワード)の組み合わせではなく、ユーザーの潜在ニーズにより関連性の高い検索結果を表示するようになっています。
- ページエクスペリエンスアップデート(2021年6月) ユーザーがwebサイトで操作を行った際の、情報そのものの価値以外に関するユーザー体験にまつわるアップデートです。この評価基準に「Core Web Vitals」の指標が追加されることが主なアップデート内容となっています。 主要なユーザーエクスペリエンス要因の測定値である「Core Web Vitals」とともに、「トップストーリーの条件変更」や「AMPバッジの廃止」も合わせて導入されています。 尚、コンテンツというよりWebサイト自体の使用感を評価する仕組みを取り入れるためのアップデートとなっていて、ランキングに関する影響は少ないとされています。
- スパムアップデート(2021年11月) スパムサイトの対策強化を目的に、ユーザーニーズに即していないweサイトを、検索結果からのスパム排除を目的として実施されたアップデートです。 具体的には、ウェブ検索のスパムに関するポリシーにもとづいて、ランキングを不正に操作したり検索ユーザーに害を与えたりするようなコンテンツが検索結果に出ないようにしています。
医療健康アップデートについては以下の記事を参考にしてください。
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参考ヘルスケア領域でのSEO対策が難しい理由
医療・健康・美容分野などのヘルスケア関連領域の事業における内容はインターネット上で上位表示されにくいと聞いた事はあるでしょうか。 これには理由があるため、検索エンジン上で上位表示を目的としてデジタルマ ...
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SEO対策には専門知識やスキルが必要
SEO対策は基本的にGoogleが提供しているSEOガイドラインに沿って進めます。
このガイドラインにはある程度の方針が記載されていますが、具体的にSEOの評価が得られる施策は公開されておらず実施には緻密な戦略が必要となります。
ガイドラインやアルゴリズムのアップデートの最新情報を取得しながらおこなう、主なSEO対策は、大きくわけてWebサイトの外に施す「外部対策」、Webサイト内に施す「内部対策」「コンテンツ対策」に分けることが出来ます。
「外部対策」とは、自社のWEBサイト以外で行うSEO対策で、主に以下をおこないます。
- 検索エンジンのクロール・インデックス対策(検索エンジンに自社サイトを確認してもらう)
- 被リンク対策(外部のサイトから自社サイトがリンクを受けること)
- サイテーション(オンライン上で自社について他サイト・SNSから引用・言及されること)
「内部対策」とは、自社のWEBサイト内にて施すSEO対策で、主に以下をおこないます。
- 良質なコンテンツの作成(コンテンツ対策:ユーザーに有益な情報を分かりやすく最適化すること)
- キーワードの適切な使用(キーワード選定、キーワードに即した文章の作成など)
- HTMLタグの設定
- 内部リンクの設置
- サイトマップの設置
- 表示速度の高速化
- モバイルファースト(レスポンシブ化)
- ディレクトリ構造(階層)の最適化 など
このように、多くの専門知識やスキルが必要となるため、企業のwebサイト担当者1人おこなったり、店舗運営をしながら継続してSEO対策をおこなうのも簡単ではなく、検索順位自体も保障される訳ではありません。
また、専門知識やスキルが無い状態で進めることにより、万が一Googleからペナルティを受けてしまうと、サイトの評価が失われる可能性があります。これまで時間をかけたSEO対策が水に流れる恐れがあるため基礎知識やGoogleのルールを理解した上でSEO対策をおこなう必要があります。
尚、それを外注する際には、その分の費用がかかるものことも頭に入れておきましょう。
最後に
ここまで、SEOとは何か、Googleの基本的な考え方、SEO対策のメリット・デメリットを説明してきました。
検索エンジンは日々進化を続けていることから、SEO対策を適切に行うには、広い範囲のWebにまつわる知識・スキルが必要となります。
SEO対策を正しくおこなうことで、多くの見込み顧客が検索エンジン経由であなたのホームページ(webサイト)に訪れます。そのため、本記事を理解した上で【SEO対策➁ 実践編】をご覧いただき、実際にSEO対策に挑戦してみてください。
※【SEO対策について➁ 実践編】作成予定
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そして、自社製品・サービスや事業フェーズに適したホームページ作成、SEO対策、MEO対策、リスティング広告運用代行について丁寧にアドバイスします。効果的な施策を目指している方は、ぜひ一度ご相談ください。
また、マーケティング戦略やデジタルマーケティング戦略についてお悩みの方も、ご相談ください。
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