補助金を使うために知っておくべきこと

補助金・助成金 資金調達

補助金を使うために知っておくべきこと【概要・5大補助金・獲得のコツ】

本記事では多くの事業者が補助金の活用をできるように、認定支援機関としてヘルスケア関連事業者*への公的支援制度を活用した経営支援をおこなってきた視点で補助金制度について説明していきます。

コロナ過で、経営支援をおこなう中で多くの企業に対して補助金・助成金や融資をうまく活用することで、スムーズな資金調達をして事業推進のサポートをしてきました。

そして、上手く資金調達をできている企業ほど、自社のビジョンを戦略的に進めることが出来ているのです。

しかし、ヘルスケア業界ではサービス提供者(施術者)が経営を始めることが多く、さらに施術業務が忙しいために、こういった情報を入手できずにいるのではないでしょうか。

また、「1人などの小規模でおこなっている事業では補助金が使えないのではないか」「補助金は何だか面倒くさいのではないか」などネガティブなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 そのため、本記事では補助金の概要から全国で使える主な補助金、そして補助金を受給するためのコツについて説明していきたいと思います。

 

本記事におけるヘルスケア関連事業者とは主に以下を指しています。

  • 病院・診療所(クリニック・診療所) ※歯科含む
  • 治療院(整骨院、鍼灸院、マッサージ院)
  • 整体院、カイロプラクティック院、リラクゼーションサロン
  • 美容サロン、エステサロン
  • スポーツトレーナー、フィットネスクラブ
  • 介護関連(通所、訪問)、機能訓練型デイサービス、リハビリテーション
  • 薬局

 

補助金の概要

補助金とは

補助金は、国や都道府県・市区町村などの地方自治体(地方公共団体)が決めた予算に基づき、政策目的に合った取り組みを支援するために提供する、返済する必要のない資金です。

一定の期間に公募によって申請を募り、審査を経て支給され、融資のように担保や保証人を求められることもありませんし、金利もありません。

 

補助金と助成金の違い

先ずは、基本的な補助金と助成金の違いを下記の【表1】にまとめました。

  • 補助金 ➡ 事業に関するもので、時期と審査がある
  • 助成金 ➡ 人に関するもので、いつでも申請できる
    ※一部、東京都(地方自治体)などの助成金などで、名称は"助成金”でも、実質的に"補助金”と変わらないものもあります。  
表1:補助金と助成金の違い(KCC作成)
  補助金 助成金
管轄 経済産業省、地方自治体 主に厚生労働省
金額 数十万~数千万 数万~数十万
倍率 採択されない場合がある(予算主義)

申請すれば基本的に100%採択される(要件主義)

目的 経済の活性化、生産性の向上 雇用の促進
種類 事業拡大や設備投資に関するものが多い(事業) 雇用促進や職場改善に関するものが多い(人)
募集期間 期間が限られている(基本的に年一回) 基本的に一年中申請できる
申請サポート 主に税理士、中小企業診断士、行政書士 主に社会保険労務士

 

補助金のメリット

補助金には以下のようなメリットがあります。

  • 融資と異なり、返済不要
  • 基本的に何度でも、また、同一年度に複数の補助金(国・都道府県)を受給可能
    ただし、同一の内容の対象事業(同じ目的の取組み)について重複して利用することは出来ません。  

補助金の注意点

  • 後払いのため、資金繰りには使えない ➡ 実施するにあたり自己資金や借入も必要となる場合があります
  • 収益となり、課税対象になる場合がある ➡ 補助金を利用した事業において、一定以上の利益が発生した場合は、その額の一部を返金(収益納付)する必要があります
  • 一度受給したことのある補助金 ➡ 例外もありますが、同一補助金に申請する場合は審査が厳しくなります(基本的に採択後3年以内)

このように、補助金は、返済不要ですが、後払いとなるために資金繰りには使えません。 そして、審査のための要件が細かく書類作成に手間と時間がかかります。そのため、自身で作成するのか、申請サポートを依頼するか検討する必要があります。  

 

申請~採択~入金までの流れ

事業者が補助金・助成金を申請し、採択され、入金されるまでの流れは以下の【表2】のようになります。  

 

表2:補助金の流れ(KCC作成)
NO. 流れ 内容
申請 事業内容や必要経費について纏めた申請書を所轄の事務局に提出します。
審査 事業所から提出された申請書をもとにして、事務局が補助金・助成金の交付を受けるのに適切か審査します。
採択 申請した全事業者に採択か不採択かの結果が通知されます。
交付 採択後、必要な経費などを事務局に申請します。 事務局受理されると、交付決定通知書が送付されます。
実施 申請内容に沿って事業を実施します。
報告 事業の実績について報告書を作成し、事務局に提出します。
検査 事業の実績に沿って事業が実施され、経費が適正に支出されたか事務局がチェックします。
確定 事業が適正に実施されたと認められると、補助金・助成金の支給金額が決まります。

 

全国対応の使いやすい「5大補助金」を知っておこう

現在(2023/9時点)公募がおこなわれている主な補助金である5大補助金(小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)について紹介していきます。

 

「5大補助金」ってどんなことに使えるの?

補助金は申請要件が細かく、公募要領(説明書のようなもの)も数十ページとなっているため、「自社が該当するのか」「補助金で買いたいものは対象となるのか」「どんな取組みなら補助金が使えるのか」を、先ずは大きな枠組みとして該当するのかを以下の図で確かめてみましょう。

  • 小規模事業者持続化補助金 ➡ 現在おこなっている事業の販路開拓等("等”となっており、販路開拓につながるもの全般が対象のため範囲が広い)
  • 事業再構築補助金 ➡ 現在おこなっていない新たな事業の開始
  • ものづくり補助金 ➡ 現在おこなっていない新製品・サービスの開発新たな生産方式・提供方法の改善
  • IT導入補助金 ➡ “会計・受発注・決済・EC”の機能を有したソフトウェアなどのITツールの導入と付随して必要となるサポートやハードウェア(パソコン・タブレット、POSレジ等)の購入
  • 事業承継・引継ぎ補助金 ➡ 事業承継・M&A後の新たな取組み、買い手・売り手による専門家活用に係る費用、廃業に係る費用

 

どんな補助金が使えるのかを知りたい

5大補助金の概要(持続化補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・事業承継引継ぎ補助金)

 

5大補助金の比較

5つの補助金を、対象者、補助金額・補助率、採択難易度、要件、対象経費の区分で下記の【表3】に簡単に比較しました。事業状況や目的に応じて該当する対象となる事業者は異なりますが、自社に当てはまるのか見ておきましょう。

※現在(2023/9時点)の情報であり、細かい内容は公募回ごとに変わります。  

 

表3:5大補助金の概要(持続化補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金・事業承継引継ぎ補助金)
  小規模事業者持続化補助金 事業再構築補助金 ものづくり補助金 IT導入補助金 事業承継・引継ぎ補助金
対象者 小規模事業者 (法人・個人) 中堅企業・中小企業者 (法人・個人) 中小企業者 (法人・個人) 中小企業者 (法人・個人) 中小企業者 (法人・個人)
補助金額・補助率 ・50万~250万 ・補助率2/3(一部条件を満たせば3/4) ・100万~5億円 ・補助率1/2、2/3、3/4 ・100万~5,000万 ・補助率1/2(小規模事業者は2/3) ・上限額450万 ・補助率1/2、2/3、3/4 ・150万~800万 ・補助率1/2~2/3
採択難易度 ★★ ★★★ ★★★ ★★
要件 申請時点で事業をおこなっていること ・常時使用する従業員が5人以下(パート・アルバイトのような勤務形態者は除く) ・受付締切日10か月以内に、先行する同本補助金の活用をしていないこと ・「新市場進出(新分野展開、業態転換)」「事業転換」「業種転換」「事業再編」「国内回帰」のいずれかを行う計画 ・認定支援機関ととも計画を作成する必要がある ・補助金を使った事業の付加価値額を上げる必要がある ・「新商品・サービス開発」、「新たな商品の生産方式・サービスの提供方式」の革新的な取組が必要 ・補助金を使った事業の付加価値額を上げる必要がある ・給与支給総額、事業場内最低賃金を上げる必要ある IT支援事業者が登録しているITツールのみが対象 ・IT支援事業者との共同申請 ・労働生産性の伸び率の向上に係る数値目標の作成 ・すべての申請枠において物品・不動産等のみを保有する事業の承継(売買含む)は対象となりません
対象となる経費 現在、おこなっている事業で売上を伸ばすためにおこなう機械装置の導入、広告宣伝費など 現在、おこなっていない事業を始めて新たな売上を作るためにおこなう建物費・機械装置・システム構築費やそれに付随して必要となる関連費・広告宣伝費など 現在、提供していない新製品・サービスの開発、生産・提供プロセスの改善で新たな売上を作るためにおこなう機械装置・システム構築費など 業務の効率化(生産性向上)等の付加価値向上や顧客獲得につながる“会計・受発注・決済・EC”の機能を有したソフトウェアの導入および付随して必要となる「導入コンサルティング等」「ハードウェア(PC・タブレット・POSレジ等)」など 事業承継・M&A後の新たな取組みに係る費用、M&A時の買い手・売り手による専門家活用に係る費用、事業承継・M&Aに伴う廃業に係る費用

補助金額・補助率は申請類型で異なります
※補助金ごとに申請枠に応じた追加要件があります。
※「小規模事業者持続化補助金」以外は電子申請が必須です。  

 

中小企業者と小規模事業者とは?

【表3】の対象者で、中小企業者と小規模事業者が分かりづらいため、小規模事業者・中小企業者の区分を、業種別で【表4】にまとめました。

中小企業者は、資本金の要件と従業員数の要件がありますが、どちらかを満たせば該当します。また、小規模事業者は中小企業者に含まれますが、従業員要件を満たすことで小規模事業者に該当します。  

ヘルスケア関連事業者の場合は、➂のサービス業に該当します。その場合は、以下の区分となります。

  • 小規模事業者 ➡ 従業員5人以下
  • 中小企業 ➡ 従業員100人以下または資本金5,000万以下

 

表4:事業者区分
業種

中小企業者
(下記のいずれかを満たすこと)

小規模事業者
資本金の額 or 出資の額 常時使用する従業員数 常時使用する従業員数
➀ 製造業、建設業、運輸業、その他の業種(➁~➃を除く) 3億円以下 300人以下 20人以下

➁ 卸売業

1億円以下 100人以下 5人以下
➂ サービス業 5,000万円以下 100人以下
➃ 小売業 5,000万円以下 50人以下

 

5大補助金の詳細

5つの各補助金について、申請枠ごとの要件や申請の流れなどは以下からご確認ください。

 

持続化補助金とは-医療-治療院-整骨院-エステサロン-美容サロン
参考【第15回公募に対応】「小規模事業者持続化補助金」について

2024/1/30 追記:最新の情報にリニューアルしています。 第14回から第15回公募の変更点も記載しております。 弊社は、認定支援機関として主にヘルスケア関連事業者に公的支援制度を活用した経営支援 ...

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事業再構築補助金とは
参考【第10回以降に対応】「事業再構築補助金」について

2023/9/23追記:最新の情報にリニューアルしています。 第10回公募からは、内容が大きく変更しています。 「事業再構築補助金」とは、令和2年度第3次補正予算による「中小企業等事業再構築促進事業( ...

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ものづくり補助金-サービス業-医療-治療院-整骨院-エステサロン-美容サロン
参考【18次締切に対応】ものづくり・商業・サービス補助金について

2024/2/10追記:最新の情報にリニューアルしています。 ものづくり補助金とは、その名称から「ものづくり補助金」は製造業や建設業のための補助金というイメージがあるかもしませんが、正式名称は「ものづ ...

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IT導入補助金2023-IT導入支援事業者-ホームページ
参考「IT導入補助金2024」の概要と活用

2024/2/23追記:最新の情報にリニューアルしています。 IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)とは、治療院や美容・エステサロン、飲食店などの個人事業主から、大規模の企業まで、IT ...

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事業承継・引継ぎ補助金
参考【8次公募に対応】「事業承継・引継ぎ補助金」について

※2024/1/22追記:最新の情報にリニューアルしています。 企業経営において高齢化や人材不足が進み、引退したくても「会社の跡継ぎがいない」「社内や家族で後継者が見つからない」「身近にお願いできる人 ...

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補助金を上手く獲得するには

補助金には、通常「事業計画書」の審査があり、該当するの補助金の政策目的に見合っていて、採算が採れるものなのであれば「採択(受給資格を得ること)」されます。

補助金を活用している企業の中には、毎年のように様々な種類の補助金をもらっている企業が存在しており、補助金獲得にあたり成功する要因(コツ)があるのです。

そこで、特に重要となる4つの要素を紹介します。

 

1.計画性を持つ

補助金は毎年、同じような時期に同様の補助金が公募されるます。

そのため、事前にどんな補助金があり、いつ始まるのか準備して予定を立てることができるので「来年は、補助金を使ってこれを買おう(こんな事をしてみよう)」と前年から準備します。

前述した国による「5大補助金」以外にも地方自治体で多様な補助金制度があるので、事業をおこなっている地域の自治体を調べてみましょう。

尚、現在はコロナ過での予算増額から、多くの補助金は通年で定期的におこなわれています。

2.支給要件を押さえる

  • 国や自治体の政策があり、企業に何をして欲しいのかを押さえる
  • 最近の補助金に共通している要件は、何か新しい取組みを行うこと(革新性) ➡ これまでの自社にないもの、他者にないものが獲得できる
    ※悪い例:古くなった機械を新しくするだけ、システム化により一部の業務を効率化するだけでは、補助金の要件にそぐわない。

 

革新性とは?

革新性があるものと言われると、世界発、日本発の技術やサービスを想像してしまいますが、革新性とはそれほどハードルが高いものではなく「自社になく、他社でも一般的ではないこと」です。

そのため、以下に該当する取り組みであれば「革新性がある」といえますので、参考にしてください。

  • 自社にいままでなかった
  • 同業他社では、まだ一般的ではない
  • 自社がいる業界内・業種内ではまだ一般的ではない
  • 自社が活動する地域周辺ではまだ一般的ではない

 

3.加点項目を逃さない

審査における加点制度(政策として存在)は行政機関によるキャンペーンのようなものです。補助金により加点項目は複数あるので、多くの項目で加点することで採択に近づく事ができます。

  • 加点項目は毎年の政府の政策により変わりますが、本業を成長させるための「経営力向上計画」、新分野の進出のための「経営革新計画」などは特定の補助金では、毎年加点項目となっている。
  • その他:「事業継続力向上計画」「先端設備等導入計画」「健康経営優良法人の認定」など

 

(参考)健康経営とは?

「健康経営」とは、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

詳しくは以下をご覧ください。

「健康経営について」詳しくはコチラ

 

4.具体的にで分かりやすい事業計画書の記述

  • 審査員は、申請する事業については素人であるという前提で記述
  • 業界特有の専門用語を使う場合 ➡ 解説、写真・図を入れたり、文章は長くならない・読みやすいように見出しなどを使う。
  • 何がしたいのかが分かりにくい計画書が多い ➡ 何がしたいのかを理解してもらうための具体的な内容の記述が必要(事業のことが分からなくても、何がしたいのかは何となく分かる内容にする)

”噓”の計画はNG!

  • 行おうとする取組み(設備投資等)が、実態としては技術の高度化や改善の成果がそこまで強く見込めるでもないのに、革新的である印象を与えるために、期待される効果を事業計画書に過剰に記載
  • 実際に実行不能な取組みを記載して採択を得てしまうケース ➡ 補助金受給までの監査等で問題となる

 

最後に

本記事では補助金の概要、全国で使える5大補助金(小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)の紹介、補助金獲得のコツについて説明してきました。

補助金を獲得することは、費用を抑えて事業を推進できるというメリットがありますが、デメリットとしては申込書類準備・事業計画書作成にかかる負担、審査があるため不採択の可能性がある、採択後の事務負担などが考えられます。

但し、自社の課題解決や成長のために事業計画書を作成をする中で、自社の現状を確認することもできます。 補助金の採択を目的とせずに、経営者自身がそういったことを把握していくことが、本質的な事業の競争力の強化につながるのではないでしょうか。

 

 

弊社では、無料補助金チェックサービスや、「補助金・助成金」および「中小企業施策(経営力向上計画・先端設備等導入計画・経営革新計画・事業継続力強化計画等)」、「融資・資金調達サポート」などの申請サポートをおこなっております。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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