近年、ヘルスケア業界では「自社ホームページを持たず、ポータルサイトのみで集客している」あるいは「一応ホームページはあるが、簡易的でほぼ機能していない」という事業者が少なくありません。
一見すると、ポータルサイトは「集客できる」「手軽」「初期費用が安い」と感じられますが、経営の視点で見ると大きなリスクを抱えています。
本記事では、業種別に代表的なポータルサイトを整理した上で、依存する危険性と、自社メディア(ホームページ)を持つ重要性について解説します。
目次
ヘルスケア業界で利用されがちな代表的ポータルサイト
クリニック(医科・歯科)
- 病院なび
- Caloo
- ドクターズ・ファイル
- EPARK
治療院(接骨院・鍼灸院・マッサージ院)
- エキテン
- しんきゅうコンパス
- 接骨院ナビ
- ヘルモア
整体院・美容・エステサロン
- ホットペッパービューティー
- minimo
- 楽天ビューティ
- EPARKビューティー
介護福祉施設
- LIFULL介護
- みんなの介護
ポータルサイト依存が抱える5つの危険性
1. 集客の主導権が自社にない
ポータルサイトは、「どの施設を上位に表示するか」「どの情報を見せるか」をすべて運営側が決定します。
- 掲載順位は課金額次第
- ルール変更で露出が激減
- 競合と横並びで比較される
これらはコントロールできないため、 自社の強みを十分に伝えきれません。
2. 価格競争・比較競争に巻き込まれる
ポータルサイトでは、
- 料金
- 口コミ数
- 写真の見映え
といった表面的な比較が中心になります。
結果として、
- 値下げしないと選ばれない
- 専門性・想いが伝わらない
- 「安いから選ばれた」顧客が増える
という構造に陥りやすくなります。
3. 広告費・掲載費が“永久コスト”になる
多くのポータルサイトは、
- 月額課金
- オプション課金
- 成果報酬型
といった仕組みです。
支払いを止めた瞬間、集客も止まるこれは経営上、大きなリスクです。
4. 情報が「自社の資産」にならない
ポータルサイト上の「口コミ」「ページ」「写真」は、すべてプラットフォームの資産です。
将来、
- 掲載終了
- サービス終了
- 規約変更
が起きた場合、何も残らない可能性があります。
5. SEO・指名検索の機会を失っている
本来、「院名・施設名+地域」「症状名+専門」で検索された際に、自社ホームページが表示される状態が理想です。
ポータル依存では、
- 検索結果に自社サイトが出ない
- 指名検索でもポータルが上位
となり、ブランドが育ちません。
自社ホームページ(自社メディア)は「経営資産」になる
ポータルと自社サイトの決定的な違い
| 項目 | ポータルサイト | 自社ホームページ |
|---|---|---|
| 集客の主導権 | × ない | ○ ある |
| 情報の自由度 | × 制限あり | ○ 自由 |
| SEO資産 | × 蓄積されない | ○ 蓄積される |
| 中長期コスト | × 上がり続ける | ○ 下げられる |
| ブランディング | × 難しい | ○ 可能 |
自社ホームページは「作った瞬間」ではなく、育てることで“資産”になります。
ポータルを「否定」するのではなく「使い分ける」
重要なのは、ポータルサイトをやめることではありません。
- 短期集客 → ポータル(入口の一つ)
- 中長期・安定集客 → 自社ホームページ(事業の土台)
という役割分担が重要です。
その中心にあるべきなのが、集客導線・SEOを考慮した自社ホームページです。
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まとめ|ポータル依存から抜け出し、自社メディアを経営資産に
ポータルサイトは、ヘルスケア事業者にとって手軽に集客できる便利な仕組みですが、依存しすぎると、集客の主導権を持てず、価格競争や継続的な広告費負担に悩まされやすくなります。
一方で、自社ホームページは、情報や信頼を蓄積できる「経営資産」です。
時間をかけて育てることで、安定した集客や指名検索につながります。
重要なのは、ポータルサイトを否定するのではなく、自社メディアと適切に使い分けることです。
まずは、今のホームページが集客できる状態かを正しく把握し、改善の方向性を知ることが、ポータル依存から抜け出す第一歩となります。
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